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パッティングが光った吉田優利の2勝目 感性を引き出したレール練習【辻にぃ見聞】

パッティングが光った吉田優利の2勝目 感性を引き出したレール練習【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2021年9月7日 11時30分

そのフィニッシュが見違えるようによくなったのが2〜3カ月前。辻村氏は吉田が愚直に続けてきたある練習の成果だという。それが1メートルほどの細いレールの上にボールを通して真っすぐ打ち出すというものだ。

「レールを渡したのはまだ優利がアマチュアのころだったと思います。ホームセンターに買いに行って“いまよくなるか分からないけど、続けたら何かを教えてくれると思う”と渡しました。先ほど言ったように感覚の鋭い選手ですが、それでもレールの上を通っていく確率は悪かった。特に多かった原因はヘッドがカット軌道に入ってきてしまうこと。ただ、レールの練習をやることで原因も見えてくる。それが、欠かさずやっていることでようやく打ち出しがよくなり、まっすぐレールの上を通るようになってきました。今でも(小祝)さくらと優利は日課で続けています」

“基準”ができたことで大きく変わった。「やはり最後に勝つのは“規則正しい練習をする”選手です。感性があるからこそ、基準を確立していなければブレるし、ひどいときには邪魔になる。感性を出せる準備ができたといっていいでしょう」。天性のセンスと反復練習が合致したゆえの勝利だった。

■天性のセンスはバンカーショットも

感覚の鋭さはグリーン上だけにとどまらない。グリーンを外してもしっかりとパーを拾えるセンスが光る。1ラウンド当たりの平均パット数は4位(28.7306)。この数字はパッティングのうまさだけでは成しえない。グリーンの読み、落としどころの読み、アプローチのタッチ…。それらがかみ合って、グリーンを外しても“寄せワン”でしのいでいる証拠だ。

サンドセーブ率が8位と、バンカーショットにもうまさがあると辻村氏。「ここに落とすと決めたときの集中力もすごいですが、クラブの入れ方にも天性のものを感じます。ヘッドの重さを感じて力感なくクラブのヘッドをトンと落とせるからバンスをボールの手前に入れるのがうまい。力で打たないからこそヘッドのブレが少ないんです。正直、“そこから寄せられるんだ”というバンカーショットを何度も見せてくれますね」。今大会でも終盤の15番ホールでバンカーからチップインバーディ。勝負どころでの強さが光った。

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