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パッティングが光った吉田優利の2勝目 感性を引き出したレール練習【辻にぃ見聞】

パッティングが光った吉田優利の2勝目 感性を引き出したレール練習【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2021年9月7日 11時30分

■攻めの姿勢を崩さない

パッティングがうまく、寄せワン、バンカーショットなどの小技がうまいとなると守りのゴルフをイメージするが、吉田はアグレッシブなゴルフを展開する。「基本的には攻め一辺倒です。パッティングもプライベートでもカップを過ぎるパットがほとんど。ショートはほとんどありません」。攻めの姿勢でバーディを奪いに行き、ダメだったとしてもグリーン周りのうまさでしのぐ。

失敗してもスタイルを変えないのが吉田のいいところだ。「優利はミスをしても後悔しないで次へ切り替えられる」。前週の「ニトリレディス」で14試合ぶりの予選落ちを喫しても、今大会の最終18番でボギーを叩いても、その18番で行われたプレーオフで勝ちきった。一喜一憂なく、ブレずに戦える強さがある。

なぜ、切り替えられるのか。「優利は自分の状況を把握することがうまい。悪いところのテーマと同じくらい、いいところも見つけられる。だから、ゴルフがネガティブにならないんです」。悪い面ばかりにフォーカスすることがないから、落ち込み過ぎることもないという。加えて「ミスしたとき、悪い部分が出たときにいろいろな角度からカバーリングができる。そうやって粘っているうちに自分に流れがくる。だからゲームが崩れないんです」と多角的に自分を見られるからこその修正力だ。

それでも辻村氏は「このオフはパーオン率を上げるという明確な目標もある。まだまだ伸びしろはあります」という。逆にいえば、さらに化ける可能性があるということ。単にショットがうまい、パッティングがうまいだけではない。勝負勘や状況把握といった目に見えない、数値には現れづらい部分での強さがあるからこその2勝目だった。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、小祝さくら、吉田優利、阿部未悠などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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