<ヤマハレディースオープン葛城 最終日◇5日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6510ヤード・パー72>
“葛城の奇跡”で今季初優勝、通算3勝目を挙げた高橋彩華。1998年生まれの“黄金世代”のひとり。昨季は1勝を含むトップ10入り12回で、メルセデス・ランキング5位に入った。今年でプロ9年目とベテランの域に入ってきたが、シャフトに対してのこだわりがすごかった。
4年間クラブ契約フリーで戦ってきたが、今年からテーラーメイドとクラブ契約を結んだ。ただ、キャディバックの中身は昨年から大きく変わらない。シャフトはドライバーから54度ウェッジまでフジクラ製で占められているが、人気モデルなだけに、これは特別珍しいことではない。
優勝時に使用したドライバーのシャフトは『スピーダーNXバイオレット50S』だった。「中元調子で、切り返しからクラブが一体となって下りてくるからタイミングが取りやすい」というのが理由だが、パッと見では分からない工夫を施している。
「体調や気温に合わせて、チップカットの違いなどで同じモデルを10本くらい持っています」。チップカットはなし、0.25インチ、0.5インチ、0.75インチの4パターンを用意。カットの量が多ければ、シャフトはより硬く感じられる。これを季節や試合ごとに使い分けている。
優勝時は0.75インチカットのモノを使用していた。「シーズン中は0.5インチか0.75インチカットのモノを使います。寒くなったらノーマルか0.25インチ。さらに細かい調整をしたものもあります」。その時々のコンディションに、シャフトのわずかな挙動の違いで合わせている。
アイアンとウェッジには、2023年頃から使用するカーボンシャフト『TRAVIL(トラヴィル)』を採用。アイアンは80グラム台のS、50度と54度ウェッジは90グラム台のS。「私が目指しているものをすべて兼ね備えている」と絶賛する。
「私はもともと球が低いのですが、このシャフトはやさしさと球の拾いやすさがあります。ボールが上がるし、落下角度は大きいので、グリーンで止まりやすい。飛ばない人、球が低い人には最高です。風に弱いとかもないですね」。昨季のパーオン率(75.3030%)はツアー1位。そんなツアー屈指のショットメーカーのお眼鏡にかなうシャフトだ。
一方、58度ウェッジだけは日本シャフト『N.S.プロ 850GH neoS』を使用する。「58度にカーボンを入れると細かい距離感が合わなかった。細かい雰囲気はスチールの方が出しやすい」と説明。グリーン周りではキャリー1~2ヤードの誤差も許されない状況があるなか、よりコントロールしやすいのがスチールだったという。そして、昨季のリカバリー率(70.7566%)でも1位に立っている。
パーオン女王とリカバリー女王の肩書きをもつ実力者。そこには技術だけではなく、こうしたギアへの細かなこだわりがあった。(文・小高拓)
【高橋彩華の優勝セッティング】
1W:テーラーメイド Qi35 LS(9°スピーダーNXバイオレット50S)
3W:テーラーメイド Qi35(15°スピーダーNXバイオレット50S)
7W:テーラーメイド Qi35(21°スピーダーNXバイオレット50S)
4,5U:テーラーメイド Qi35 MAX(23,27°スピーダーTRハイブリッド75S)
6I~PW:ミズノ ミズノプロ245(TRAVIL85S)
50,54°:タイトリスト ボーケイSM10(TRAVIL95S)
58°:タイトリスト ボーケイSM10(N.S.プロ 850GH neoS)
PT:テーラーメイド スパイダーツアーX
BALL:タイトリスト プロV1x
グリップ:パルマックス
