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鈴木愛と渋野日向子 暗闇で練習する2人を来年も見ていたい【記者の目】

鈴木愛と渋野日向子 暗闇で練習する2人を来年も見ていたい【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2019年12月3日 16時41分

そんな鈴木の4歳年下の渋野。プロテスト合格後、初のレギュラーツアー出場となった3月の「ヨコハマタイヤPRGRレディス」練習日には、夕闇のなか黙々とパッティングドリルを行う渋野の姿があった。青木翔コーチから科せられたドリルが終わるまでは帰れない。海風が吹き付ける初春の土佐の練習グリーンで球を転がし続けた。目を細めながらカップインを狙う、すさまじい集中力に驚かされた。

その週、渋野は2日目を終えて首位と3打差の5位タイ。最終日は大山志保、鈴木という歴代女王とのラウンドで終盤こそ崩れたものの、6位タイでフィニッシュした。そのときの優勝は鈴木。ツアールーキーは鈴木に叩きのめされたが、その後の渋野は、ここぞという時に圧倒的な集中力を発揮し、見事にスター街道を駆け上がった。この日のラウンドは、渋野にとって大きな転換点だったように思う。

今季、一躍話題となった“バウンスバック”。以前からゴルフ用語としては存在していたものの、日本でここまで取り上げられたのは始めてだった。それも渋野のど根性魂からくる、ボギー後のバーディというプレースタイルの影響だ。“なにくそ”精神でバーディパットをねじ込み、ボギーを帳消しにする。そんな時の渋野の目は、一点しか見えていないように見える。研ぎ澄まされた集中力と、内に秘めた怒り。これらの結集がバウンスバック率1位という数字に現れた。

笑顔ばかりがフィーチャーされる渋野だが、集中しきっているときの渋野は目を細め、ギャラリーの声援に軽く応えるのみ。視線は次のホールへと向かい、獲物を捕らえる猛獣のような目つきに変わる。そして、ひとたびバーディを奪えば、満面のシブコスマイルでギャラリーを魅了する。そんなドラマがプレー中に何度も訪れるため、観戦する側もいっときも気が抜けず、あっという間に18ホールが終わってしまう。

パーオンホールでの平均パット数1位の鈴木と2位の渋野。獰猛とさえ思える攻めの姿勢でバーディを取り続ける2人。平均バーディ数1位は渋野で、鈴木は3位。ともに見せるアグレッシブな戦いは、見る者の心に深く刻み込まれたが、裏には、いつまでも球を転がし続ける2人の血のにじむような努力があることを忘れてはならない。だからこそ、ミスをすれば感情を表に出し、悔しがるのも当たり前だ。

そんな因縁の2人が奇しくも最後の最後で見せた練習グリーン上での沈黙のぶつかりあい。国内女子ツアーの中心選手として19年を引っ張ってきた2人は、来年もことあるごとに比較されるのは間違いない。軸足を日本に置きながら、ともにメジャーを中心とした海外試合のスポット参戦を増やしていき、8月に行われる東京五輪の代表の座を争うことになるからだ。

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