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渋野日向子にとって特別な勝利 「これほど“誰かのために勝ちたい”と思ったことはなかった」

渋野日向子にとって特別な勝利 「これほど“誰かのために勝ちたい”と思ったことはなかった」

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2019年11月24日 17時35分

定由早織キャディ(左)、青木翔コーチ(右)と優勝を喜ぶ渋野日向子
定由早織キャディ(左)、青木翔コーチ(右)と優勝を喜ぶ渋野日向子 (撮影:鈴木祥)
大王製紙エリエールレディスオープン 最終日◇24日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6580ヤード・パー72>

今大会開幕前に「ここで勝ったらかっこいいですよね!」と笑顔で話していた渋野日向子が、その4日後、本当に愛媛の地で優勝カップを掲げた。最終日スタート時にあった2打の差を6バーディ・ノーボギーの「66」という好ラウンドで逆転。トータル19アンダーまでスコアを伸ばし、今季国内ツアー4勝目をつかんだ。

お茶の間のみなさんにもピース!【写真】

「(スタート前)2打差だったので勝ちたかったです。そのなかでノーボギー、さらにこのスコアでの優勝はうれしいですね」。ラウンド後の会見では、こう満足感を口にした。単独トップでホールアウトした時点で、まずは同じ組で回り、3週連続優勝中だった鈴木愛を1打差で退けた。しかし、この時、まだ後続はプレー中。そのなかで一番の“ライバル”になりそうだったのが、16番時点で1打差につけられていた前日トップの森田遥だった。

しかし、森田は17番パー3でボギー。その頃、渋野はプレーオフも視野に、練習グリーンでボールを転がしていた。そして、2打差の状況で森田の18番のセカンドショットがカップに入らなかった瞬間、その練習グリーンにも朗報が届いた。それを聞いた渋野はまず両手を大きく広げ、優勝を伝えにきた定由早織キャディとハグ。そして次の瞬間、両手で顔を覆って涙を拭った。さらに時折聞こえる、2人の大きな笑い声。まさに“泣き笑い”のラストシーンだった。

この優勝の“原動力”となったのが、先週の「伊藤園レディス」で喫した予選落ちだった。今年3月の「アクサレディス」以来約8カ月ぶりに最終日にコマを進めることができず、久しぶりに何もない日曜日を過ごした。この時間を利用して兵庫県に足を運び、青木翔コーチとともに練習。「今まで練習していたところに行って、ジュニアの子たちと一緒にいたことで初心に帰ることができました」。さらに内容は「話せません(笑)」という両親との真剣な会話や、応援団からの励ましの声などが、21歳の心を揺さぶった。「この一日でいろいろ思い出せました。いい予選落ちになりましたね」。

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