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大逆転シードはもう目の前 大山志保を変えた視点の変更【辻にぃ見聞】

大逆転シードはもう目の前 大山志保を変えた視点の変更【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2019年11月19日 17時49分

これには大きな理由があった。辻村氏が『ノーボギーで回れた理由』を大山に聞いたところ、「前回の樋口久子 三菱電機レディスのときから練習の割合を変えました」という答えが返ってきたという。

「パッティング練習のうち6〜7割を占めていたショートパットの練習量を減らして、自分が得意なロングパットのタッチを合わせる練習を増やしたそうです。“入らないと思っていたパットを練習していたから自信を失っていた”とも言っていました」。技術に変化を加えたのではなく、新たな練習を取り入れたのでもなく、練習の割合を変えただけ。たったこれだけのことだが、辻村氏は「大きく影響している」という。

「短い距離のパッティングを『絶対に決めなきゃ』と思うほど、ヘッドの動きばかりが気になるようになります。そうなれば体全体を使ったパッティングができなくなる。するとストロークのリズムが悪くなる。余計に入らなくなるし、外れたという結果ばかりに目が行く悪循環に陥ってしまいます。ロングパットはヘッドを大きく動かしますし、体全体を使いリズムが良くなる。その回数を増やしたことで、本来のパッティングを取り戻したのではないでしょうか」

首位タイで迎えた18番。最後に2mのパーパットが残ったが、「ここでボギーが私らしいのですが(笑)、絶対に入れると思って」と後続の鈴木が見守るなか沈めてボギーフリーを達成。小手先で入れに行くのではなく、しっかりと体を使えたからこそだ。

■QTに向けて何とかしないといけない その気持ちが良い方向に向くこともある
今回、大山はQTまでに時間がないなかで練習の割合を変えたことが奏功した。時間がないなかで『今やるべきこと』を絞ったことがいい方向に向いた。実は伊藤園で4位タイに入り、開幕前の賞金ランキング47位から41位に浮上、シード入りを決めた福田真未も同じように土壇場にきて良くなった一人であると辻村氏はいう。

富士通レディースで話したときに、福田さんは“私は考えすぎるクセがあるので、最近はできるだけシンプルに考えるようにしているんです”と話していました。これも大山さんと同じ。QTに向けて調子を上げなければいけないという状況のなかで、“できないものをできるように”という練習から“できるものをさらに伸ばす”と今の自分に必要なことが絞れている。それが秋深まってからのいい結果に結びついたと思います」

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