<バンテリン東海クラシック 最終日◇1日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71>
先週のDPワールドツアー「ジェネシス選手権」を制して凱旋帰国した桂川有人が3打差の3位から逆転し、ツアーをまたいでの2週連続優勝を達成した。最終日は「67」のラウンドでトータル12アンダー。ツアー初優勝を狙った田中裕基を最終ホールのバーディで振り切り、地元・愛知で凱旋Vを果たした。
2打リードで迎えた名物ホールの16番パー3で試練が待ち受けていた。ティショットは右サイドの林から転がり落ちてきたものの、2打目のアプローチは強烈なつま先上がり。グリーンをオーバーすれば崖下、ショートすればバンカーに入る可能性もある。
桂川もさまざまなミスを想定していたが、結果は「全く予想していなかったので、それもあったかと思いました」と振り返る“ダルマ落とし”。痛恨のダブルボギーでリードを失った。2022年大会の3日目には同じ16番のティショットが木に乗ってしまい、ダブルボギー。結果的に1打差で優勝を逃したが、あの時の記憶が蘇るような展開となった。
それでも、最後は勝負強さを発揮。最終18番パー4では段の上から下りの10メートルを沈めた。出だしはスライス、段を下ってからはフックの難しいライン。「どこからフックで持って行かれるのか、全くラインは分かりませんでした。最後は感じているものを信じて打ちました」。まだ、田中のバーディパットは残っていたが、ガッツポーズと同時に目には光るものがあった。
どちらかと言えば、感情を表に出さないクールなタイプ。「自分でもなんでグッときたのか不思議です。地元の暖かい声援とか、家族が見に来ていることとか、いろんな気持ちが入り混じったのかなと思います」。ゴルフの手ほどきをしてくれた祖父の前での優勝には特別な思いがあった。
以前から新日本プロレスのファン。海外での移動時間はタブレットでプロレス観戦が定番の過ごし方だ。現在は同じ“ゆうと”の名を持つYuto-Iceに注目しており、「ファンクラブにも入っているし、早期入会特典のキーホルダーも持っています」。同じアスリートとして刺激をもらっているという。
「Yuto-Ice選手の決め台詞に“ただ感じろ”っていうのがあるんですけど、きょうはまさにそんな試合運びだったなと思います」。来週からUAEに舞台を移し、DPワールド(欧州)ツアーのプレーオフ2連戦。トータルでは6連戦のハードな日程になるが、その疲れはただ感じろではなく、感じずに終盤戦を駆け抜ける。(文・田中宏治)
