ツアー選手へのサポート体制を強化するため、今大会からタイトリストが新型のツアートラックを投入した。従来のトラックに比べ、作業スペースが大幅に拡大。契約選手の阿久津未来也は「ここで寝られるじゃん」と冗談を口にしたほど。スムーズな作業導線が確保され、より迅速な対応が可能となった。
ライ角やロフト角の調整、シャフトやグリップの交換など、ツアートラックではさまざまな作業が行われる。ウェッジの代名詞であり、契約外の選手も数多く使用するボーケイは平均して一日に30本組み上げるというから作業量は想像以上だ。
ツアートラックに求めるものは選手によってさまざま。阿久津は「圧倒的に多いのはグリップ交換ですけど、それ以外だと、1Wですね。新しいシャフトを試して、シャフトをカットしてもらったり、グルーで調整してもらったり」と話す。
一方、こちらも契約選手の勝俣陵は「コースによって変えたくなるのは3Wとウェッジですね。今週、フェアウェイが硬いからバウンスの少ないウェッジが欲しいとか、パー5のセカンドが届かないから3Wを13.5度にしてみようとか、そういうときは相談して、クラブを用意してもらっています」。阿久津が最も頻度が高いと話したグリップ交換は年に1度だけで、そのためにツアートラックを訪れることはほとんどないのだという。
近年、ツアーでのタイトリスト使用者が増加。「NEW タイトリスト ツアートラックはそうした多くの選手に対して、これまで以上に質の高いサービスと、より迅速なサポートを提供することを目的に開発されました。トラック内の機材配置から作業導線に至るまで、あらゆる機能を細部まで見直し、ツアーの最前線で求められる高いレベルのクラブサポートを実現する環境を整えています」(ツアー担当責任者・真野義英氏)。
ツアートラックの内部を覗くと、グリップ交換、シャフトカットなどに必要なマシンがそれぞれ2台ずつ、効率的に配置されている。実際に作業を行うツアーレップに話を聞くと「マシンの順番待ちがなくなり、効率的になりました。スペースも広くなったので作業もしやすいですね」。これまではクラブ担当、ウェッジ担当、パター担当に3人で対応するのが基本だが、さらに1~2人のサポートスタッフが入っても、十分に作業が可能になった。
「NEW タイトリスト ツアートラックが担う役割は、クラブを組み立て、調整することだけではありません。ツアーの現場で選手から得られる貴重なフィードバックを迅速に開発チームへ共有し、さらなる製品性能の向上や、次世代のプロダクト開発へとつなげていく。いわば、ツアーと開発を結ぶ重要な拠点としての役割も担っています」(真野氏)。タイトリストのクラブを使用する選手たちの活躍と同時に、一般のゴルファーが手にするクラブのさらなる進化にも新しいツアートラックの貢献が期待されている。(文・田中宏治)
