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3桁順位から5位に巻き返し 蝉川泰果を蘇らせた “スティンガーショット”

一時は予選落ちの危機に直面していた蝉川泰果だったが、途中から調子を上げて最終日は10バーディを奪って「63」。5位タイでフィニッシュした。

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2023年5月28日 15時02分

蝉川泰果が猛追をみせて、3試合連続のトップ5入り
蝉川泰果が猛追をみせて、3試合連続のトップ5入り (撮影:上山敬太)

<~全英への道~ミズノオープン 最終日◇28日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤード・パー72>
 
怒涛のまくりを見せた。26位タイから出た蝉川泰果は、10バーディ・1ボギーの「63」をマークして、トータル14アンダーでフィニッシュ。初日は「73」で1オーバー・90位タイと出遅れ、2日目の出だし6ホールを終えてトータル4オーバーとなり3桁順位まで落としていたが、2日目の12ホールと決勝の36ホールで5位タイまで順位を上げた。

前週の「ゴルフパートナーPRO-AM」で優勝争いに加わり2位タイ。好調のまま今週乗り込んできたかと思われたが、「リンクス(コース)はなかなか回ることがないので、最初は戸惑いがあった」と慣れないコースに手を焼いた。スイングにも影響が出てドライバーやアイアンも意図しないフックボールのミスもあって序盤の出遅れを招いた。
 
今週会場に訪れていたJGAナショナルチームのガレス・ジョーンズコーチからアドバイスをもらった。フックが出ている原因を指摘され、ジョーンズコーチが提案したのは「スティンガーショット」を打つことだった。タイガー・ウッズ(米国)らが得意球の一つとする超低空ボールのことだが、「上から抑えこむ動きになる」とフックが出る原因を修正できて本来のショットに戻ってきた。
 
最終日はグリーン上の読みも冴え、ショット、パットともに噛み合って「いいゲームができましたね」とビッグスコアに白い歯をこぼした。しかし、「ボギーがもったいなかった」と課題も忘れない。
 
蝉川は昨年の「日本オープン」優勝の資格ですでに「全英オープン」の出場を決めている。今回のリンクスの経験は本場でも活きてきそう。「全英まではまだ時間があります。全体的にレベルを上げたい」と向上心を持つ。「今週予選落ちが見えていたところからのスタートで、ここまでできたのは今後につながると思う。一番はツアー選手権、来週がんばりたい」。海外メジャーの前に、まずは今季国内メジャー初戦に照準を合わせた。(文・小高拓)

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