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今平周吾のバッグを覗き見! “10年モノ”のUTにウェッジはなんと8度ピッチ【ツアーで見つけた“こだわりギア”】

ツアーで見つけた“こだわりギア”を紹介。今回は今平周吾を直撃!

所属 ALBA Net編集部
齊藤 啓介 / Keisuke Saito

配信日時:2024年9月12日 11時30分

<ANAオープン 事前情報◇11日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>

ドライビングレンジを見に行くと選手とともに、キャディバッグもずらりと並ぶ。バッグを覗くとクラブを新旧交代する選手もいれば、往年の名器を使い続ける選手など十人十色。そこで現場記者が見た、選手の“こだわりギア”をご紹介!今回は「ANAオープン」が行われている、札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)から。

打球痕がすごい! 今平周吾の“10年モノ”UT【写真】

今回、直撃した選手は2018年、19年の賞金王である今平周吾。今平と言えば、長年タイトリストのユーティリティ『910H』を使用し続けていることは知られた話だが、改めてそのクラブの良さについて話を聞いてみた。

11年発売のモデルでロフトは21度。シャフトはグラファイトデザインの『DI HYBRID 95X』が挿してある。ちなみにシャフトは“先詰め”はせず、そのままの使っているとのこと。発売からずっと使用し続けるそのヘッドを見てみると、黒かったソールの塗装は剥げてシルバーに、フェースも打球痕がくっきりを分かるほど使い込まれている。さらにソケットは浮き、シャフトのロゴは消えかかり、使用感満載だ。

そして使い続ける理由は「球が拾いやすくて、距離も出てくれる。それが良いですね」。さらに左に行く怖さがないこともお気に入りポイント。「アイアンっぽい顔で、少し逃げ顔なのも良い。最近は飛び系のユーティリティが多く、球が浮かなかったり、飛び過ぎちゃうことがある。このクラブは吹かすこともできれば、捕まえれば距離も出るので、なかなか変えられない」。

ただ、ここまで使い込めば新たなヘッドに替えるのは難しい。「スペアはありますが、これほど良いヘッドではないので長く使っている」。同じヘッドは持ち合わせているがどうしても工業製品ということで個体差があり、球筋のイメージが異なるということで、現在使用するヘッドがドンピシャという訳だ。だからこそ「壊れないように」とヘッドの状態は常に気がかりではある。

そして、今平のバッグを覗いて気になった点がもう一つある。それはウェッジのロフトピッチだ。2本体制で52度の下が60度とロフトピッチが大きい。その間に56度を入れるのがセオリーかと思われるが、今平はそうではない。「52度は120ヤードのフルショットが多く、100ヤード以内は60度で操作します」と話す。

8度のピッチは60度をメインに埋め合わせをしている。飛ばすときは、捕まえて打ったりと自由自在。56度を試したこともあるそうだが、やはり60度に落ち着くという。ちなみにウェッジもタイトリストで52度は『SM10』のFグラインド。60度は『ウェッジワークス』のBグラインドとバウンス効果が小さいものとなる。

昨年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」ではドライバーを抜いて2本の3番ウッドを入れて勝利。かつては、同じモデルの60度を2本入れるなど奇策を講じることもある今平。“賞金王”のセッティングは見ているだけでも面白い。(文・齊藤啓介)

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