<日本オープン 事前情報◇14日◇タラオカントリークラブ 西コース(滋賀県)◇7411ヤード・パー70>
日光カンツリー倶楽部での昨年大会を制した片岡尚之にとって、この1年は多くの新しい景色を目にした時間だった。
メジャー初タイトルを獲得し、その資格で今年の「マスターズ」「全英オープン」の出場権を手にした。
海外メジャー初出場となったマスターズでは、その洗礼を浴びた。初日にプロワーストの「84」を叩くと、2日目も「75」と振るわず予選落ち。日本のナショナルオープンを制した者として、責任を感じていたのか、「(資格が)今年から無くなったら僕のせいだと思って。本当によかったです」と、今年も海外メジャーの出場資格が与えられることに胸をなで下ろした。
続く「全英オープン」では、その悔しさを晴らすかのように決勝ラウンドへ進出。59位で大会を終えた。
「マスターズは成績はダメでしたが、貴重な経験になりましたし、夢の舞台でプレーできたことはすごくうれしい」
充実した1年を振り返る片岡。火曜日には歴代優勝者が一堂に会する夕食会「チャンピオンズディナー」で乾杯の音頭を取り、試合前には前年覇者としてインタビューや取材にも応じている。「こういう待遇が、日本オープンで優勝したんだなという気持ちになります」と、チャンピオンとしての実感が湧く瞬間を過ごしている。
これまで日本オープンで連覇を達成したのは、宮本留吉(1929・30年、1935・36年)、セベ・バレステロス(スペイン/1977・78年)、中嶋常幸(1985・86年、1990・91年)、尾崎将司(1988・89年)、尾崎直道(1999・2000年)の5人だけ。いずれもゴルフ史に名を残すレジェンドだ。
ただ、片岡の状態は思わしくない。生命線ともいえるパッティングについて、「今年はずっとよくない」と話す。昨年は平均パット数で1位に輝くなど、毎年上位につけるパットの名手。今季も同部門6位と数字上は悪くないものの、本人の納得にはほど遠いようだ。
パットが狂えばショットにも影響し、悪循環に陥っている。それでも、「今年の経験もあるので、めげずに頑張りたい」と前を向く。
海外メジャーの厳しいセッティングを経験し、タフなコースへの免疫がついたことは昨年とは違う点だ。多くの新しい景色を見てきた片岡が、不調を乗り越え、連覇という新たな景色にたどり着けるか。(文・齊藤啓介)
