リストを使わない意識だと振り遅れやすくなるので、プッシュアウトで右に出ることを想定して目標を左にとってボールを打つ。「そういう課題だったり、決めたことをしっかりやり切るだけです」。この日は気温が下がり、雨が降り、地面が柔らかくボールが飛ばない条件が揃った。長いパー4が多いこのコースでは「2打目で3番ウッド1回、5番ウッド3回」と長いクラブを持たされる。「普通は(グリーンに)乗らないですよ。目の前の1打に集中して、グリーンを外れたら外れたでまた考えればいいんです」。
割り切った考えで打つショットに加えて、シーズン途中に迷いがあったパッティングは元の状態にに戻り、なんとかスコアメークしている状態。「今日は23パットですからね。かみ合いました」と笑みを見せる。7番パー5ではピンまで残り245ヤードを2オンに成功して、6メートルを沈めてイーグルも奪った。
高額賞金の今大会は単独10位で524万円、単独20位でも252万円獲得できる。「トップ10、いや15位、20位でも入りたいけど、自分のゴルフがそんなことを言える状態じゃない。順位を気にすると自分の課題を忘れそうで」と笑い飛ばす。残り2日、「(予選2日間のような)ゴルフはできないと思うけど、やることをやるだけです。テーマを持って」。今大会の結果次第ではシード確定の位置まで持っていける。今年は20代前半の若手選手が台頭し「ゴルフが違う」と目を丸くする42歳のベテランは、「ちょっと頑張りたいですね」と語気を強めた。
