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ツアー最強の飛ばし屋“河本力”VS 日本一曲がらない男“稲森佑貴” 「直径55yの円」と「2y幅の順目」の戦い

ツアー最強の飛ばし屋“河本力”VS 日本一曲がらない男“稲森佑貴” 「直径55yの円」と「2y幅の順目」の戦い

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2022年11月5日 12時19分

そんな、ツアー最強の飛ばし屋と日本一曲がらない男は、3日目も最終組で相まみえる。

河本は稲森のゴルフについてこう話している。「稲森さんはティショットでだいたいドライバーを持っていますけど、フェアウェイをほぼ外しません。セカンドショットではショートサイドに切ってあるピンが、下っているか受けているかで攻め方を変えてくるし、風やライも全部含めて計算しているんじゃないかなと僕は思っている。ここはセーフティにいくんじゃないかなと思ったらピンを攻めてきたり。すごく参考になるし、上手かったですね」と絶賛する。

一方の稲森は、河本の飛距離に舌を巻く。「彼はあまりドライバーを握ってないですよね。ほとんど2番アイアンでした。それでも僕のドライバーと一緒か、少しオーバードライブされる。すごいですよ。13番(パー4)では2番アイアンでヒールにミスヒットしながら、『ア゛ー、越えろ』って言ったら右のバンカーを余裕で越えていった(笑)。こっちは『でしょうね』みたいな。何もおかしいことはない(笑)」。ちなみに13番の右のバンカーを越えるにはキャリーで255ヤードが必要。河本は2番アイアンで270ヤードを飛ばしている。

ドライバーでは常に50ヤード以上の飛距離差がある稲森だが、「リキもすごく飛びますけど、一回デシャンボーを食らっているので、とっくの昔に慣れています」と惑わされることはない。稲森は昨年の「WGC-ワークデイ選手権」最終日に米国男子ツアーNo.1の飛ばし屋、ブライソン・デシャンボー(米国)と回っている。「最大で100ヤード置いていかれました」とパワーに圧倒され、完全にリズムを崩した稲森は「78」を叩いた。その経験が今回に生きている。

そんな両極端な二人だが、ドライバーでのティショットの狙い方も対照的で面白い。河本は「直径55ヤードの円」、稲森は「2ヤード幅の順目」をターゲットにしている。

「僕は直径55ヤードないとドライバーを打てない。7番ホール(パー4)とかもドライバーで届くんですけど、すごく絞られていて30ヤードしかないから打てないんです」と河本は話す。打ち下ろしの7番パー4は、グリーンのフロントエッジまでは320ヤードほど。右はすぐ8番のティイングエリアで、左は林となっているため、コースの幅が狭いのだ。「350ヤード飛ぶときもあれば、300ヤードしか飛ばないときもある」。河本にとって縦も横も直径55ヤードまでがミスの許容範囲内だが、それより狭いときはドライバーを持たないと決めている。「短いクラブになるほど、どんどん円は小さくなっていく」という。

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