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優勝直前に浮かんだのは“不在のライバル” 中島啓太がようやく見せたうれし涙

優勝直前に浮かんだのは“不在のライバル” 中島啓太がようやく見せたうれし涙

所属 ALBA Net編集部
谷口 愛純 / Azumi Taniguchi

配信日時:2021年9月26日 18時19分

激闘を勝ち抜いた中島啓太 熱い涙がほほを伝った
激闘を勝ち抜いた中島啓太 熱い涙がほほを伝った (撮影:佐々木啓)
パナソニックオープン 最終日◇26日◇城陽カントリー倶楽部(京都府)◇6967ヤード・パー72>

パターのヘッドを触って、短く息を吐く。プレーオフのバーディパットを打つ直前、頭に浮かぶ姿はただ一人。「金谷さんなら、絶対入れる」。そう決めて打ったパットは、カップの横をそれて入らなかった。やっぱり、まだ先輩にはかなわない。

表彰式でも涙が止まらない【写真】

世界アマチュアランキング1位に立つ中島啓太(日体大3年)が、永野竜太郎とのプレーオフを制して優勝。金谷拓実に続く史上5人目(1973年のツアー制施行後)のアマチュア優勝を決めた。やっとうれし涙を見せたのは、グリーンを降りて表彰式を待つ間。涙もろいと自負する21歳だが、これまでは悔し涙が多かった。

2015年の「日本アマ」で金谷に惜敗し、18年の「アジアアマ」でも競り負けた。今年の「東建ホームメイトカップ」でも金谷と優勝争いの末に単独2位。「グリーンを降りて、すぐに泣きました」と、先輩がプロ初優勝を挙げた姿を、悔し涙とともに祝福した。常に一歩先を行く、ナショナルチームメンバーとして一緒に戦ってきた金谷。大会前、「優勝してきて」とメッセージをくれた金谷は今週、不在だった。一番見せたかった姿はここにはないが、「後に続けて光栄です」と、その背中に少し近づいた。

史上5人目の快挙は、金谷に並ぶまでの“通過点”。今照準を合わせるのは、11月の「アジアアマ」だ。「アジアアマでは、いかなきゃいけないホールでしっかりドライバーを振り抜かないといけない。今回は14ホール、ドライバーを打つと決めてきました」。優勝争いの中、刻みたくなる気持ちをグッとこらえて持ち続けたドライバーは、海外での優勝争いを見据えてのこと。まずは松山英樹、金谷に続く日本人3人目のアジアアマ制覇を目指す。

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