第4回 ダウンスイングの切り返しはピッチャーのイメージ
取材・構成 山西英希 撮影:福田文平 取材協力:北谷津ゴルフガーデン
右ヒジを上げたまま腹筋を左に回そう
「左足のツマ先を目標に向って踏み出した後の動きです。体を回転することで右ヒジが勝手に目標に向くじゃないですか。これって、まさにダウンスイングの切り返しでの動きなんですよね」
ゴルフスイングでいえば、トップで両手の位置をキープしたまま腹筋を左に回す。その結果、腕とクラブが自然と下りてくる動きに通じるというわけだ。
「バックスイングでは両手と体を同時に動かしましたが、それをダウンスイングでも行うと、スイングに間ができないので、アウトサイドからクラブを下ろしがちです」
その結果、スライスなどのミスが出る。当然、ミート率も下がり、弱い球しか出ない。インパクトで今ひとつボールがつかまらないという人は、打ち込みよりもキャッチボールやシャドウピッチングを行ったほうが有効だといえそうだ。
クラブは自然落下する
左足に体重を乗せながら右足で地面を蹴る
「ダウンスイングの切り返しでは、腹筋を左に回すと同時に下半身も動かします。左足へ体重を乗せていきながら、右足で地面を蹴るイメージです。ピッチングでも腹筋を左に回しながら、下半身を動かします。まさに左足に体重を移動しながら右足で地面を蹴る動きです」
仮に下半身を動かさずに腹筋だけを回したらどうなるのだろうか。
「下半身がスムーズに動かなければ、腹筋にも力が入りませんし、やはりアウトサイドからクラブが下りてきます。当然、正しいスイングプレーンからクラブが外れるので、正確なインパクトを迎えることができません」
ちなみに、ピッチングフォームでも体の回転をうまく利用できず、手投げになるので、ボールをコントロールすることが難しくなる。
手だけのスローイングはNG
腹筋を内側に絞るとインサイドからクラブが下りる
「右ヒザが前に出たり、左に流れるのは禁物です。右ヒザの位置を変えずに、腹筋を左に回しましょう。右ヒザが前に出ると、両手も前に出てしまいます。その結果、アウトサイドからクラブが下りてきます。右ヒザの位置をキープしたまま腹筋を内側に絞ることで、クラブは自然とインサイドから下りてくるんです」
インサイドからクラブが下りると、両手は右腰の右に下りてくる。ここまでくれば、あとは体を回転するだけで正しい位置にクラブヘッドが戻るというわけだ。
稲見萌寧(いなみ・もね)
1999年7月29日生まれ、東京都出身。ツアー1勝。昨年の「センチュリー21レディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝を飾る。賞金ランキング13位に入り、初シードを獲得。正確無比なアイアンショットはプロの間でも評価が高い。今季は出場する全試合で優勝を目指す。都築電機所属。