先週の「資生堂・JALレディス」で、永峰咲希と木戸愛の優勝争いを観ていた人は、どちらを応援していいか分からないほど、熱い戦いで見応えを感じたはず。選手のパターをよくチェックするなら尚更、驚いた人もいるかもしれない。木戸はその週投入したばかりのピン『PLD OSLO3』という、“らしくない形状”を使って神がかりなシーンを見せたからだ。
木戸と言えば、近年はオデッセイ製のツノ型パターの印象が強い。ネックはラケットホーゼルが直近ベースだったが、ダブルベンドやセンターシャフトなど色々あったがここ2、3年はツノ型だった。先週3日目には「今週替えたパターが活躍してくれた」と言う通り、今季「30.46」(84位)が今大会は「28.5」(30-27-30-27)を記録。今回の形の方が合うのか、今後の大会でも気になるところだ。
優勝会見で「正直センターシャフトは使ってこなかった」と、好みではないものとの相性を明かしたのが永峰咲希だ。これまで長く契約するTM製が中心で、特にトラスホーゼルのブレード型を長く好んだ印象の強い永峰。が、今年5月にスコッティ・キャメロン『ファントム5S』に替えて「苦手だった上りの3mでストレスが減った」と言い、改善されたのはパットに留まらずショットまでにも及ぶとか。
「(SCに替えて)まず座りの良さに驚きましたし、ポンと置いてアライメントが取りやすくて構える際のストレスがなくなり、自信を持って打ち出せるのが好結果に繋がってます。以前は打ち出す目標・方向を点でイメージしていたけど、今はカップインまでのラインをイメージできるようになりました。
苦手だった上りの3mくらいの精度も上がって、パターに自信が持てるとアプローチのストレスもかなり減ってそれが優勝に直結したと思います。パターはショットにまで影響が出るので重要性を身に染みて感じました。ビジュアルや使用感もふくめて、とても上質なパターだと思っています」(永峰)
PING契約選手の多くはパターまで契約に含まれがちだが、木戸はもちろん契約外で、永峰も契約外使用でSCとの相性が良かった模様。慣れたものを替えるのはリスクに思えるが、好みの形と異なっても、新たに試してみることの重要性を感じさせる大会だった。