シーズン終盤、『XR SPEED』で復調
これまでのキャリアで、コンスタントに成績をあげてきた松山だが、2018年は1月のセントリートーナメントofチャンピオンズで4位タイに入って以降、ベストテンがゼロ。これは明らかに不振といわざるを得ない成績だ。しかし、このドライバーを使用したのと同じくして、成績は徐々に復調し、4位タイが2回に加え、ウィンダム選手権以降の5試合でベスト20を外さなかった。難しいと思われていた最終戦のツアー選手権への出場権も手にした。
『XR SPEED』は日本未発売ということで、どんなクラブかあまり知られていない。『GBB』同様にカーボンクラウンが採用され、クラウン部は同社の『XR 16』と比較して、約45%軽量化されたという。余剰重量は低深重心化するために配置できる。『ROGUE』シリーズや『EPIC』シリーズのような、2本の柱を内蔵した「ジェイルブレイクテクノロジー」は採用されていない。
洋ナシ型と異なり、ヘッド後方フランジ部分の頂点とターゲットラインの後方がほぼ一致して見える。この特徴は『ZR30』にも当てはまり、松山の歴代使用ドライバーのほとんど唯一の共通点といえる。逆にいえば、歴代ドライバーにはあまり共通点がないといわざるを得ない。
筆者が『XR SPEED』を試打したところ、非常につかまりがよく、ボールの初速性能もまずまずだ。ボールは上がりやすいがスピン量はそれほど多くなりすぎない。これは『GBB』にも共通する特徴だ。打音は、『GBB』よりも高く大きな音で、『GBB』と『EPIC STAR』の中間といったところだ。そのせいか、打感も軟らかいながら、やや独特な感触だった。あまりプロ・上級者好みとはいえそうもなく、正直、これを松山が使うのかと意外に感じたのが率直なところだ。