新たなエースドライバー探しに追われた松山英樹
調整がうまくいっていないことを表すように、使用するドライバーもテストを繰り返し、最終的にはシーズン中、3メーカー6種類のクラブを試合に投入した。限られた試合数の中でこれだけドライバーを替えた選手は、これまでに例がない。
気になる松山の契約問題だが、「ドライバーを使わなくても契約違反ではない契約」(※『ゴルフ用品界』2018年8月号)になっているという。現在は、メーカーの垣根なく、自分の求めるドライバーを試行錯誤しているところのようだ。そこで、今季使用したドライバーを紹介しながら、そのクラブに求める松山の意図を推測してみたい。
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『GBB』は、スライサーが十分に扱えるほどつかまりがよく、右にスッポ抜けるようなボールは出にくい。ドロー系の弾道になりやすい特性だ。いわゆるプロモデルと比べるとやさしいヘッドだといえるが、プロ並みのヘッドスピードで打っても、案外スピンが増えすぎない低スピン性能の高さがある。
松山にとって、不動のエースドライバーとして活躍した『GBB』だが、昨年の9月にヘッドが割れ、交換したヘッドも全米オープン開幕の前日に割れるトラブルがあった。すでに2015年発売のモデルでもあり、今後のヘッド供給が難しくなることを考えると、松山が新たなエースドライバー探しに取り組むのは必然だったといえるだろう。