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ウェッジの形状を決める研磨作業の現在

text by kazuhiro koyama

配信日時:2016年5月20日 13時00分

ウェッジの形状を決める研磨作業の現在

より多様になった、ウェッジのソール形状

ジョーダン・スピースが使用するウェッジはSM6 Lグラインド gettyimages

ジョーダン・スピースが使用するウェッジはSM6 Lグラインド gettyimages

 ここ数年、ウェッジのソール形状のバリエーションが増えてきている。バウンス角の大きさに加えて、ソール幅の広いものや狭いもの、大きくグラインドされたものなど、様々な形状が各メーカーからラインナップされている。

ショートゲームの名手として知られる、ジョーダン・スピースの使う60度ウェッジのバウンス角は4度。日本ではカスタム仕様のみ対応のタイトリスト『SM6 Lグラインド』というモデルだ。トレーリングエッジが大きくグラインドされており、シビアな入射角のコントロールが求められるウェッジといえる。

 ツアープロはスピースのように、様々なライから技を使いやすくするために、ごっそりとソールを削って使用するケースが少なくない。一時期は、ソールを多面的に落として、バウンスも少なめにするのが流行し、市販されるウェッジもその影響を受けたものが多かった。
48、52度(F GRIND)と58度(K GRIND)の3本のウェッジを駆使しているキム・キョンテ

48、52度(F GRIND)と58度(K GRIND)の3本のウェッジを駆使しているキム・キョンテ

 こうした流行から、必然的に市販品でも難しいモデルが増えてきていたが、現在は揺り戻しが起きているようだ。ツアープロでもヒール側にしっかりと肉のついたウェッジを使う選手が増えてきており、一定数の選手が使用している。スピースと同じタイトリストであれば、ソール幅が広く、バウンス角もしっかりとある「Kグラインド」を使う、アダム・スコットやキム・キョンテなどが好例だ。

 一般的なアマチュアにとっても、ソール幅が広く、バウンスも大きめだと、ミスに強く、バンカーからも出しやすいウェッジになる。そうしたやさしいウェッジと、プロの中でも名手が使うようなソールがグラインドされたウェッジのどちらもが販売され、結果的にソールのバリエーションは増えてきているというわけだ。

 プロにとって、難しい状況からパーを拾ったり、パー5の3打目でバーディーチャンスにつけなければならないウェッジプレーの成否は死活問題。当然の事ながら、ウェッジの形状を選ぶ目もシビアになる。

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