確かに痛くて振れない。でも、実はよくあること?
PCM筒康博(以下、筒) 「みんな、痛めた瞬間はそう思うものですよ。松山英樹プロもそのようなニュアンスで最初の感想を語りましたが、誰でもここを痛めたことがある人なら、みんな同じ感想を持つものです」
⇒松山英樹が無念の棄権「一生ゴルフができないのではという怖さがある」
筆者 「結局ラウンドはそのホールで離脱して、そこから苦悩の日々が続きました。医者に行っても、腱鞘炎の一種(母指CM関節症)や軽い亜脱臼と診断されただけで、安静にするしかないとの判断で、患部をガチガチに固定するか非常に迷いました。仕事的にパソコンが使えなくなると困るので。でも、スイング以外の日常生活に支障はなく、痛み自体は2ヶ月くらいで引いたことを覚えています。ただ…」
筒 「クラブを握るのが怖くなって、以前の握り方では打てなくなったんでしょう?長岡さん、ベースボールグリップで両手を離してスプリットで握るようになりましたよね?」
筒 「ボクも左手親指を痛めたことがありますが、ボクの場合は軽量グリップから合うグリップを探すことで、一気に痛みが引く経験をしています。長岡さんは右手が触れないことで振れるようにはなったようですが、合う道具で左手親指の痛みが引くケースもあるんです」
「左手親指痛?そんなもの【ケナコルト注射】1本で3日で元に戻ります」(平田)
筒 「平田さんも左手親指痛になったことがあるんですね」
平田 「職業病です、こんなもの。ちょっとタメのキツい男子プロなら、まったく珍しくも何ともないでしょう。大げさに捉えすぎだと思いますよ。ボクの場合も、友人に紹介されて整形外科医に注射1本を打ってもらったら、3日で痛みが完全に取れて、元のグリップでゴルフが出来るようになりました。確か局所的なステロイド注射でコケナルト、いや、ケナコルトといった名前だったかな…。もう、これまでに右ヒジに5回、左ヒジに2回、左手親指に3回この注射をしていますが、副作用もいまのところ何もないですよ」
筒 「うわぁ〜、平田さん、そんなに今までステロイド注射しているんですか。その歳で260ヤードもキャリーするのは、ステロイドで増強されたせいじゃないですか?」
ステロイドの副作用については医師が一番良く知っているはずなので不安であれば聞けばいいし、ステロイド注射が怖い人は患部が自然治癒するのを気長に待つしかないですよね。そこは怪我した本人が自己責任で判断すべきことでしょう。少なくとも、私には自然治癒を待つ時間が惜しいので、これまでの判断は私にとっては正解だったと断言できます。長岡さん、右手薬指のバネ指も治らないんでしょう?優秀な整形外科医に聞いてあげましょうか?」
筆者 「いや、平田さん、アメリカと日本じゃ治療も保険も違うんで大丈夫ですよ。まぁ、ボクは下手なアマチュアだし、注射が何より嫌いなので、この自然治癒と握り方を変える選択肢で後悔はしていないです。だって…」