「Shape in motion」、形状の見直しで理想のドライバーが完成
そこで、不可能を可能にするため、テーラーメイドが持てる技術を総動員して作り上げたのが『SIM』ドライバーだ。まずは、新たなヘッドシェイプによる空力効果でヘッドスピードアップを実現。そして、進化したマルチマテリアル技術による低・深重心設計で、高慣性モーメントと低スピンの両立に成功。
さらに、『M』シリーズにも搭載された「ツイストフェース」と「スピードインジェクション」が、寛容性とボール初速アップをサポート。『SIM』ドライバーは革新的なテクノロジーをてんこ盛りにすることで不可能を可能にした、“飛んで曲がらない”ドライバーなのだ。
【Point 1】 エアロシェイプでヘッドスピードが加速
【Point 2】 イナーシャジェネレーターとマルチマテリアルで寛容性と低重心を両立
慣性モーメントの高さが上がるほど、スピン量は増えるトレードオフの関係を示した図を見てほしい。Aは低スピンの球は打てるがミスヒットにはシビアなエリア。Bは曲げずにやさしく打てるがスピン量が増えるエリア。マルチマテリアルでイナーシャジェネレーターが付いた『SIM』と『SIM MAX』は、これまで実現が難しかった、“慣性モーメントが大きくて低スピンで飛ばせる”エリアのクラブなのだ。
【Point 3】 斜めの角度でダウンスイングの空気抵抗カット
突起が真っすぐだと、フェースが開いて下りてくるハーフウェイダウンで空気抵抗をモロに受ける。突起を斜めに設置することで、ヘッドの加速時に空気の流れがスムーズになる効果があり、ハーフウェイダウンでフェースが約30度開いているときに突起が真っすぐになるように設計。ヘッドがもっとも加速する場面で空気がスムーズに流れるようになっている。
人気の機能も健在!
フェースのトゥ側が開き、ヒール側が閉じる方向にネジることで、打点がズレたときにギア効果が働き曲がり幅を抑えてくれるテクノロジー。前々作『M3』『M4』から継続して「ツイストフェース」が曲がりを抑える
スピードインジェクションでルールギリギリの反発性能に
こちらは前作『M5』『M6』から入ったテクノロジー「スピードインジェクション」。いったんルール上限を超えた高反発ヘッドを作り、フェースの裏側に樹脂を流し込むことでルールギリギリの反発性能を生み出す。これにより、プロ用ヘッドもアマチュア用ヘッドも、すべてが高CTとなる。
新旧スピード対決 『SIM』は前作より1m/sアップ!
「空気抵抗は目に見えないので信じられないかもしれませんが、『SIMシリーズ』の振り抜きのスピードは、これまで打ったどのクラブよりも速いと感じますね。本当にインパクトエリアの空気抵抗が丸ごとなくなった感じでヘッドが走る感じがします。また、スイートエリアの広さに加え、ヘッドとシャフトのマッチングがよく自然とスクエアにインパクトできるのも、ヘッドスピードアップにつながっています。その結果、『Mシリーズ』よりもボクは約1m/sヘッドスピードとボールスピードがアップしました。飛距離も前作より6〜8ヤード伸びるデータが出ています」(海老原プロ)
アマチュアテストがプロより凄かった!
これについて、「元々スイングの完成度が高く、エネルギー効率のいい上級者やプロゴルファーよりも、イナーシャジェネレーターの効果はアマチュアの方が恩恵が大きいのかもしれません」。試打時にそう印象を語っていた、海老原プロの言葉通りのテストデータである。
ただし、2.9m/sアップした辻田さん、中村さんは両方打った中で『SIM』が上がり、2.4m/sアップの水谷さんは『SIM MAX』の方がヘッドスピードアップと、結果の出る機種が分かれた。そして、プロをも凌ぐヘッドスピードを持つかなりの猛者たちだったが、大きくヘッドスピードアップに成功している。やはり、自分に合う機種を選ぶという観点も、いい結果には見逃せないだろう。次ページで、2機種の違いを詳細に見ていこう。