ケガと不振を乗り越えた、劇的な復活劇
そして、いよいよタイガー・ウッズの今シーズン初戦となる「ファーマーズ インシュランスオープン」が開幕する。昨年は、マスターズで11年ぶりとなるメジャー勝利、そしてPGAツアー日本初開催となった「ZOZOチャンピオンシップ」での圧巻の勝利が記憶に新しい。
そんなタイガーの活躍を見ていると、2014年以降、試合に出ることすら、ままならなかった時期が、はるか過去の出来事のように感じられる。度重なる故障で満身創痍となり、何度も手術を繰り返しているうち、試合勘も損なわれていった。2014年から2015年にかけては、深刻なアプローチイップスに陥っていたという説もある。3年前には、薬物を使用した状態で車を運転し、逮捕されるというショッキングな出来事もあった。あのとき、再びタイガーが復活すると信じていた人が、果たしてどれだけいただろうか。
道具を選ぶ際、まず、最初にボールを決めなくてはいけないというのが、タイガーの考えだった。パッティングのフィーリングやアプローチでのスピン性能と高さ、フルショット領域でのコントロール性、そして飛距離と、タイガーの要求は、とても高いものだ。様々なメーカーのツアーボールを試したという彼の厳しい目にかなったのが、日本メーカーであるブリヂストンのボールだ。
10月の「ZOZOチャンピオンシップ」では、巧みなアプローチやラフからのスピンコントロールの上手さを存分に披露し、日本のファンに王者のプレーを見せつけた。ボールをコントロールして、コースを攻略するのが、タイガーの真骨頂だ。それはブリヂストンのボールが、より力を発揮する瞬間でもある。
そして、タイガーもまた、初戦から新しくなった『TOUR B XS』を使用する予定だ。このボールの開発過程において、タイガーの存在感はこれまでになく大きいものだったという。