ALBA Net  ゴルフ
ALBA Net  ゴルフ

タイガーが選んだ新ボールの性能とは? 次のメジャー勝利に向け、2020年シーズンが始動!

text by Kazuhiro Koyama photo by Getty Images

配信日時:2020年1月22日 15時00分

ケガと不振を乗り越えた、劇的な復活劇

2年半ぶりにモデルチェンジするブリヂストンのツアーボール、『TOUR B X/XS』。その発売を前に、「SMBCシンガポールオープン」で契約プロのマット・クーチャーが幸先よく優勝した。この試合では、日本の木下稜介が6位タイに入り、見事、今年の全英オープンへの出場権を手にしている。クーチャーも木下もすでに、愛用しているのは、新しくなった『TOUR B X』ボールだ。

そして、いよいよタイガー・ウッズの今シーズン初戦となる「ファーマーズ インシュランスオープン」が開幕する。昨年は、マスターズで11年ぶりとなるメジャー勝利、そしてPGAツアー日本初開催となった「ZOZOチャンピオンシップ」での圧巻の勝利が記憶に新しい。

そんなタイガーの活躍を見ていると、2014年以降、試合に出ることすら、ままならなかった時期が、はるか過去の出来事のように感じられる。度重なる故障で満身創痍となり、何度も手術を繰り返しているうち、試合勘も損なわれていった。2014年から2015年にかけては、深刻なアプローチイップスに陥っていたという説もある。3年前には、薬物を使用した状態で車を運転し、逮捕されるというショッキングな出来事もあった。あのとき、再びタイガーが復活すると信じていた人が、果たしてどれだけいただろうか。
「スポーツ史上最大のカムバック」と呼ばれた2019年タイガーのマスターズ優勝

「スポーツ史上最大のカムバック」と呼ばれた2019年タイガーのマスターズ優勝

悪いことは重なるもので、2016年には長年に渡って、タイガーをサポートしているナイキが、クラブ・ボール事業から撤退を表明し、タイガーも新たな道具を探す必要に迫られた。そのとき、一番はじめに選んだ道具がボール。ブリヂストンの『TOUR B330S』だった。

道具を選ぶ際、まず、最初にボールを決めなくてはいけないというのが、タイガーの考えだった。パッティングのフィーリングやアプローチでのスピン性能と高さ、フルショット領域でのコントロール性、そして飛距離と、タイガーの要求は、とても高いものだ。様々なメーカーのツアーボールを試したという彼の厳しい目にかなったのが、日本メーカーであるブリヂストンのボールだ。
ブリヂストンのボールを武器に、タイガーは自らのプレーを取り戻していった

ブリヂストンのボールを武器に、タイガーは自らのプレーを取り戻していった

そこからの道のりは、決して平坦ではなかった。タイガーらしからぬ凡ミスがあったり、ティショットが大きく乱れることもあった。しかし、徐々にタイガーらしいイマジネーションに溢れたプレーが随所に見られるようになり、ベストテンフィニッシュが増えていった。2018年のツアー選手権での復活優勝、そして昨年のマスターズでの勝利は、段階的にトップフォームを取り戻していった、彼の努力の帰結だったと言えるだろう。

10月の「ZOZOチャンピオンシップ」では、巧みなアプローチやラフからのスピンコントロールの上手さを存分に披露し、日本のファンに王者のプレーを見せつけた。ボールをコントロールして、コースを攻略するのが、タイガーの真骨頂だ。それはブリヂストンのボールが、より力を発揮する瞬間でもある。

そして、タイガーもまた、初戦から新しくなった『TOUR B XS』を使用する予定だ。このボールの開発過程において、タイガーの存在感はこれまでになく大きいものだったという。

読まれています


おすすめコンテンツ

関連サイト