ベン・グリフィンが昨季のPGAツアーで『WHITE』を使って3勝するなど、ギア好きに気になる存在の『LIN-Q PowerCore』シリーズ。先月USTマミヤが「緊急輸入」を発表したこともあり、『LIN-Q PowerCore BLUE』をALBA本誌「銀のALBA」で徹底チェックした。すると、競合社の新作も鋭い個性を放つ中、今作『BLUE』は「現代シャフトのど真ん中」という、極めてニュートラルな特性を持つことが判明した。
試打を行った吉川仁氏は、かつてUSTマミヤでフィッターとして長く在籍し、同社の歴代『ATTAS』を中心とした「マイルドでやさしい特性」を知り抜くシャフトオタク。その吉川氏をして「過去イチかも」と言わしめた新作は、あらゆるシャフトを試打してきた人ほど「あまりの扱いやすさに衝撃を受ける」一本だった。
■「パリパリ」の高剛性から「復元」しなやかへ転換
前作『LIN-Q BLUE EX』について吉川氏は、開口一番「素材感のハリが強くて“硬い”と感じる人が多かったです」と振り返る。パワーのある人がしならせると鋭く復元する「高級素材感あふれるフィール」の前作は、中途半端に振ると操作が難しく、どうしても「力みやすさ」がつきまとっていたとか。
「パリッと高級素材のハリ感がある前作『LIN-Q BLUE EX』は、パワーのある人がしならせると復元も鋭い半面、ハードに感じる人が多めになります。新作『LIN-Q PowerCore BLUE』は打ち手を選ぶ感じが全くなくて、超オーソドックスな中元系。
タイミングも取りやすくて、速すぎない復元が扱いやすく“誰でも打てるやさしさ”を感じます。このシャフトが苦手な人は皆無だと思いますし、合わないヘッドも基本的にないはず。【現代で一番ど真ん中なシャフトが出てきた】と感じますね」
「硬すぎず軟らかすぎないど真ん中」。新作は『PowerCore』で素材や構造を見直すことで「誰でも打てるやさしさ」へと大きく舵を切った。独自の「Q-Ply素材」とナノレジンシステムを融合させて前作の硬すぎる印象を払拭し、滑らかにしなって正確に、かつ素早く戻る特性となった。
■優しいアッタスと強いリンクの「中間」
USTマミヤ製を知り尽くす吉川氏によれば、今作は「The ATTAS V2の扱いやすさ」と「LIN-Q BLUE EXの強靭さ」のちょうど中間に位置するという。吉川氏は「マミヤはマイルドにする技術が元々うまくて、お悩みを解決する処方箋としてちょうどいいんですよ」と語り、今作のバランスを絶賛する。
前作は準備運動して体を温めてからでないと本来の性能を引き出せなかったが、新作は『クアンタムMAX』に挿して、練習なしの一発目から持ち球のドロー。吉川氏は「前作なら準備運動が必要なデータが新作は一発目から出せる」とやさしさを強調。三菱『ディアマナ』の高級素材的な張り感と、フジクラ『ベンタス』の安定性をいいとこ取りしたような「究極のど真ん中」フィールだとか。
初代『ベンタスブルー』の人気に火が付いた昔を彷彿させるといい「初代ベンタスより手元ややしっかりでモタつきもわずか。目立った特徴がない代わりに弱点も全くないです」。打ちこなす面白みはないが、リシャフトに付き物な「合わない失敗が無いことが最大の魅力」と最高評価をする。
■最新ヘッドのポテンシャルを引き出す「追従性」
たとえ「打てるシャフト」だったとしても「ヘッドと合わない」不安もつきまとう。吉川氏はあらゆるヘッドを試せるスリーブを用意、PINGの高MOIヘッドやキャロウェイの俊敏なヘッドで試すといずれも抜群の追従性を見せた。
「重めの高MOIでも俊敏で操作性のいいヘッドでも、どんなモノでも相性を選びません。それに切り返しが速いor遅いと、どんな負荷のかけ方でもしっかりシャフトが受け止めてくれる印象があります。モタつきや緩さが全くないし、基本しっかりつかまってくれて球がすべりません」
先端剛性が高いため高MOIヘッドでもブレが少なく、打点がズレても飛距離ロスや右ペラなどを最小限に抑えるという。吉川氏は「自分で戻してこなくても、ヘッドがボールに突っ込む強い感じが出ます」と“セミオートマ”なフィールの恩恵を語った。
スペックを上げるほど自分の意志を明確にヘッドに伝えられる操作性が出せて、普段決めている「自分のフレックス」なら、ある程度動いてくれるセミオートマ特性。これこそまさに現代ゴルファーが待ち望んでいた「ちょうど良さ」だと言えるだろう。
◎ALBA本誌935号「銀のALBA」より転載
◎撮影・山代厚男、GettyImages
◎取材協力・4plus FITTING LABO(https://4plus-golf.com/)
USTマミヤ(https://ustmamiya.co.jp/)