なぜ男子プロはMBを好むのか? 難しさは人によって違う!
PCM編集長(以下、P編) 「のっけから値段の話か!? 世知辛い世の中だねぇ〜、編集者が値段の話からおっ始めてどうする!君はそんな些末なことしか語れない編集者なのか?」
PCM筒康博(以下、筒) 「まぁまぁ。長岡さん、値段が気になるということは、もうある一定以上の段階に進んじゃったってことですよね? このわずかな試打で購入の検討まで一気に行ったって証拠でしょ? (なんちゅう商品力だよ、『ブループリント』……)」
筆者 「筒さん、ボクの心の中を覗くのやめて…。そう、仰るとおりでプレスリリースを見てる段階では、ただ【なんちゅう、高けぇ〜アイアンだよ…】と思っただけでしたが、実物目にして、打ったら……ね! なんか、唐突にグラつく自分が情けなくもあり……(泣)」
筒 「なんで2人とものっけからグロッキーなんですか!(っていうか、ボクもコレ欲しい〜)」
筆者 「いえ、逆です。めっちゃ簡単です! ボク、前から思ってたことをPING安齋さんが言語化してくれてすごく同感だったんですけど、【マッスルバックが難しい】と全く思わないんですよ。むしろ、ボクにとってはこっちの方が簡単に思える時期の方がゴルファー人生では大半を占めてましたんで」
P編 「………。(なんだよ、いきなりマウンティングしやがって!天の邪鬼め!)」
PING安齋さん 「打点が不変のエリートにMBはやさしい」
P編 「長岡、まさか、自分のヘッドスピードが速いからって、【PGAツアープロにシンパシーを感じる】とか言わないだろうな? そんなに芯を外して球を曲げるプロなんていないからな!(身の程知らずが、勘違いするな!)」
やることがシンプルな気がするんですよ。力の出力を細かくコントロールしなくてもいいというか。ドーン!と上から打つだけで球もまとまるというか…。理由はわかんないんですけど、MBの方が物理的に飛ばないし打点にシビアなのに、スコアがまとまりやすいというか…。それに、一番いいのは、打ち方をクラブが教えてくれるので、練習が楽しいというか、感性が磨かれる気がします」
P編 「カァ〜〜〜、コレだよ……。筒さん、なんか長岡がMBを語りだして、聞いちゃいられない感じになってきた。ちょっとコーヒーでも飲んで、口直しが必要だなぁ…(中座する)」
でも、物理的に見れば、MBは打ち手のパワーを選ぶのも事実です。ロフトは寝てますけど、重心が浅くてお助け要素はゼロです。自分でパワーを作り出せる人でないと、球を満足に上げて飛ばせない。短い番手は良くても、ミドルアイアン以上で満足な弾道を打つには、ある程度スピンをかけて上空を駆け上がらせるようなパワーが必要ですからね。それに、板厚のある一枚板は、初速が出ませんから。打感がよくなるのと反対に、初速を失うトレードオフの関係ですし」
筆者 「ちょっと生意気なこと言っていいですか?」
筆者 「MBなら、もっとピリッとしていい」
筆者 「さっき『ブループリント』を打って思ったんですが、【MBなら、もっとピリッとしてもいい】なと。8620カーボンスチールという素材がそうさせるのかもしれないですが、柔らかくてモチっとしててすごく打感がいいのですが、芯を微妙に外した時にもっと教えて欲しいというか…。
さっき、改めて村田さんのコレクション、ベン・ホーガン『パーソナル』や『プレシジョン』を打ったんですけど、昔のMBって本当にシビアで、打点ブレを手に鋭い痛みで伝えます。『ブループリント』は薄めの当たりでも、芯を外しても打感がソフトで、もっとピリッと来てもいいのに…。それが進化と言われれば進化だし、PINGが作るマッスルバックらしさと言われれば、納得せざるを得ないんですけど…」
筒 「か・な・り、生意気ですね〜〜。でも、長岡さんはやっぱり変態ですよ。あの時代のクラブの手の鋭い衝撃に耐えきれずに、ゴルフがつまらなくて離れた人も多いと思いますよ? みんながみんな、プロや上級者のように練習にエネルギーと時間を使えるわけではないので。