<3Mオープン 最終日◇26日◇TPCツインシティーズ(ミネソタ州)◇7431ヤード・パー71>
3打リードで迎えた最終18番。ティショットをフェアウェイに運ぶと、「ようやくリラックスできた」という。3日目に「61」をマークして首位に立ったのは、21歳のジャクソン・コイブン(米国)。プロ転向わずか3試合目のルーキーだった。
3打リードで迎えた最終日。「このために練習をしてきた。とにかく自分を信じて一打一打を戦おう」とスタートすると、大きなミスのないプレーを続けた。流れを引き寄せたのは難関の9番パー4。第2打をグリーン奥のバンカーに入れ、第3打は約4メートルオーバー。それでも、このパーパットを沈めると、「あれは今週で一番大きなパットだったと思う。スコアボードがあったから自分の位置ははっきり分かった」と振り返った。
後半には世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)が3連続バーディを奪い、トータル20アンダーまで猛追。それでも「あれを外していたら2打リードで後半を迎えることになっていた。あれを沈めたことで流れを渡さずに済んだ」と胸をなで下ろした。
その後も安定したプレーを続け、最終18番は先にホールアウトしたシェフラーに3打差をつけて迎えた。グリーン奥からのアプローチを約4メートルショートさせたが、最後もこのパーパットをしっかり沈めると、グリーンを取り囲んだ大ギャラリーから大歓声が沸き起こった。
カリフォルニア州サンノゼ出身。17歳でノースカロライナ州へ移住し、アラバマ州のオーバーン大学ではベン・ホーガン賞、ジャック・ニクラウス賞など数々のタイトルを獲得。2025年には世界アマチュアランキング1位にも立った。同年のPGAツアー・ユニバーシティでPGAツアー出場権を獲得し、6月の「全米オープン」出場後に満を持してプロ転向。そこからわずか3試合目で初優勝をつかみ取った。
「勝ったことがまだ信じられない。自分の名前が一番上にあるなんて」。優勝が決まると、緊張から解放されたように両手で顔を覆った。
最終日もボギーなしの「66」をマークし、トータル25アンダーで大会新記録を樹立。21歳2カ月3日でのPGAツアー初優勝は、2017年以降では10番目の若さとなり、今季4人目のルーキー優勝となった。
最終日に「63」と追い上げながら届かなかったシェフラーは、今季5度目の2位。それでも新鋭のプレーを称え、「最近は本当に素晴らしい若手選手が活躍している。大学で準備を整えてツアーに来る。我々の時代よりもずっと整っている。ジャクソンとはまだ一緒にプレーしたことはないが、これから彼と会えることを心待ちにしている」とエールを送った。
この勝利で年間ポイントランキング70位に浮上したコイブン。70位までが出場できるプレーオフシリーズ第1戦「フェデックス・セントジュード選手権」進出へ、大きな一勝となった。(文・武川玲子=米国在住)
