米ツアー初優勝を飾ったキジーアの戦いぶりは実に見事だった。米国の国民的スター選手であるファウラーと競いながら、しかも初優勝のプレッシャーがかかる中、最終ラウンドをノーボギーで戦い抜いたキジーアのメンタリティが何より素晴らしかった。
72ホール目はフェアウエイバンカーのすぐそばの不安定な足場からセカンドショットを打つという窮地に陥った。キジーアがパーでファウラーがバーディーならプレーオフ、キザイアがボギーを叩けば、勝利を奪われる可能性もあった。だが、キジーアは冷静にグリーンを捉え、最後は余裕の2パットで勝利を決めた。
「ドキドキしたけど、以前、もっとひどいライに遭遇したこともあったので、その経験が活かせた。リッキーはワールドクラスのプレーヤー。彼との戦いはスペシャルバトル。この優勝は大きな自信になった」と、キジーアは興奮気味に語っていた。
31歳のキジーアは2015年にウエブドットコム・ツアーで年間2勝を挙げ、プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに選ばれて、翌年から米ツアー参戦を開始した。
これまでは米国内でも無名に近い存在だったが、今季は開幕シリーズのサンダーソン・ファームズ選手権で10位タイ、シュライナーズ・ホスピタルズ・オープンで4位タイ、そして今週は優勝を飾り、来年のマスターズや他のメジャー大会、ビッグ大会への切符を手に入れ、フェデックスカップランキングでは、もちろん自身初の1位へ躍り出た。