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マキロイの不屈の思い 史上初の大会連覇を前にコースと向き合い思うこと【前編】

マキロイの不屈の思い 史上初の大会連覇を前にコースと向き合い思うこと【前編】

配信日時:2020年3月9日 12時30分

ローリー・マキロイはTPCソーグラスの、あの有名なアイランドグリーンを見据えていた。太陽が沈み当たりは真っ暗だったが、周囲の観客席からのライトは、コース設計者であるピート・ダイの最高傑作を堪能するのに十分な明るさだった。

マキロイが日本語にチャレンジするとこうなる【写真】

1年前、マキロイはザ・プレーヤーズ選手権でキャリア最高の優勝とも言える1勝を成し遂げた。最終日の感動的なフィニッシュで、彼は後続の選手たちの猛追をかわしてトップに立った。北アイルランド出身の彼は、本大会初出場から3年連続予選落ちとなっていたが、そこから見事な逆転劇を見せ勝利を刻み、再びここに戻ってきた。

「ピート・ダイ設計のコースで最初にプレーするときはいつも、コースに対して好印象を抱くことはない。見た感じで威圧感があり、プレーできないと感じる」。マキロイはこう説明した。「他の全員が打つ場所からティショットを打たせられるような感覚。とても戦略的なプレーが求められるし、そういうプレースタイルを学ぶ必要があった。私は頑固で少し大人気なかったから、このゴルフコースを攻略してやろうと思った。でも、それができないコース」。
ダイが、マキロイのそんな言葉を耳にしたら笑っただろう。「ゴルフはフェアゲームではない。だからどうしてフェアなゴルフコースを作らなくてはいけないのか?」とかつて言ったのは、まさに彼なのだから。
そして、マキロイのその賞賛の言葉は、ダイへ送った最後のものとなった。

「2008年に世界ゴルフ殿堂入りしたピートの影響は大きく、世界中のアマチュアゴルファーやプロゴルファーの心に刻まれている」。PGAツアーコッミショナーのジェイ・モナハンは語った。「彼は世界で最も有名といわれるゴルフコースをいくつか設計しているが、TPCソーグラスのザ・プレーヤーズスタジアムコースに勝るものはないかもしれない。コミッショナーのディーン・ビーマンが考えた、革新的なスタジアムのようなゴルフコースというコンセプトを、ピートが完璧に現実のものにした。そして、最も戦略的なコースの1つとして毎年賞賛されるようなコースを見事にデザインした」。

マキロイはある意味、ダイの“悪名高い”設計の理想のテスト選手だったのだろう。2009年と2010年、そして2012年にザ・プレーヤーズで予選落ちし、この3度の出場で12オーバーを記録している。

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