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気が付けば、パトリック・リードに「漁夫の利」を許した他選手たち【舩越園子コラム】

気が付けば、パトリック・リードに「漁夫の利」を許した他選手たち【舩越園子コラム】

配信日時:2019年8月12日 12時38分

スピースは2017年の「全英オープン」であの“練習場ショット”を披露して優勝して以降、この2年以上の間に1勝も挙げていないことは、メンタル面と技術面、双方に起因すると考えられる。予選2日間は好位置につけても、決勝2日間は大きく崩れてしまうスピースの苦戦ぶりを、米メディアは「スピースのウィークエンド・ホラーショー」と呼んでいるほどで、そうなってしまう根本原因が彼の自信の欠如であることは明白だ。

人気選手であるジョンソンやスピースの成績不振は、ファンにとっては残念な状態だが、ゴルフに不調はつきもの。それゆえ、こればかりは、彼ら自身のメンタル面、技術面の立て直しを祈りながら待つしかない。そして、ゴルフファンなら誰もが彼らの現在の苦境を理解し、温かく見守っているのだろうと思う。

しかし、今大会における「スロープレー問題」の侃々諤々(かんかんがくがく)ぶりには、そのまま頷けない部分が多々あった。スロープレー問題は世界のゴルフ界の長年の懸案だが、今大会中、ブライソン・デシャンボーのスロープレーぶりを示す動画がツイッターで発信されたことに端を発し、選手たちからデシャンボー批判が次々に噴出。デシャンボーが激しく応酬したため、事態はさらに悪化した。

ジャスティン・トーマスが辛辣にデシャンボーのスロープレーぶりを批判したのは、トーマスとデシャンボーが同組で回ったからではあった。だが、トーマスは今年の序盤は新ルールを、そして今回はスロープレーを批判。もちろん、他選手たちの声を代弁し、正しいことを言っていたのかもしれないが、何かを批判するトーマスの声のボルテージが上がるにつれて、彼の成績は下降線を辿っている。

ブルックス・ケプカもデシャンボーのスロープレーぶりを激しく批判し、こともあろうに日曜日の朝の練習グリーン上で彼らは激突。それからティオフしたデシャンボーは24位、ケプカは30位に終わった。

そんななか、“気が付けばリードが勝っていた”という印象は否めない。昨年のマスターズ優勝後、不調に陥っていたリードは、今年5月にリフレッシュのために10日間のオフを取り、健全な心身、健全なゴルフを取り戻し、そして復活優勝を遂げた。

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