今年4月22日に、大会の主催のR&Aが都内で行った会見では、「総距離(7344ヤード・パー71)はメジャー大会として長いというわけではないが、ショットの正確性が要求される」と、このコースの特徴を説明。上記の理由に加え、フェアウェイも狭いことが、その言葉の背景にある。また、バンカーの数は、全英オープン史上最少の59個。ポットバンカーもあるが、どれもそれほど深くはない。だが選手からすると「少ないけど、すごく効いている。ティショットの時に気になるバンカーは多い」(藤本)と効果的に配置される印象を受けるようだ。
会見でR&Aがキーホールとして挙げたうちの一つに、“CALAMITY CORNER(災いのコーナー)”と名付けられた、16番パー3(236ヤード)がある。ティイングエリアからグリーンまでが極端に狭く、お互いが分離しているようにも見える。さらにグリーン右に外すと深いブッシュに覆われた崖が待ち受ける名物ホールだ。落としどころを間違えると大きなハンデを追ううえに、風も吹き抜けるホールのため強風のなかで立ち向かうと、スリルはさらに増す。
地元・北アイルランド出身のローリー・マキロイは、幼少時からプレーしてきたこのコースについて、「僕が育っていくうえで、ロイヤルポートラッシュは大切な一部」と話す。「その時とは大きくコースが変わっている」というが、16歳の時にはここで「61」をマークした経験も持つ。そのマキロイは注意すべきポイントとして、以下のことを挙げる。
「横からの風が多くなると非常にタフな顔を見せてくる。コース自体がドッグレッグのようなホールも多い。横に打たなくてはいけないところに、加えて横風が入ってくる。大きなカギを握るのはフェアウェイバンカーとラフ。たとえ2打目を長く残してしまったとしても、これらは絶対に避けなければいけない。ラフもこの2週間で一気に伸びているから、ラインから外れてしまうとスコアメイクが苦しくなるはずだ」
地元の大きな期待を背負う2014年の全英チャンプは、「この場所で全英が開催されるなんて、思ってもみなかった。世界のトップゴルファーが立っているのを見て不思議な感覚だ」と、特別な思いを胸に本番のコースに立つ。
