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ツアー5勝の師匠に恩返しを 伊藤真利奈が緩みないスイングで挑む米ツアーへの道「喜ばせたい」

ロシアンハーフの黄金世代・伊藤真利奈。米ツアー挑戦にあたって、師匠の存在の大きさを改めて感じている。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2023年10月16日 12時15分

<LPGA Qスクール(予選会)ステージ2 事前情報◇15日◇プランテーションG&CC(米フロリダ州)>

9月に行われた米予選会ステージ1をクリアし、フロリダにコマを進めた日本勢は5人。そのうちのひとり伊藤真利奈は、「アイアンショットもいい感じなので、パターが入ってくれればいいスコアが出せそう」と練習ラウンドでいい感触を得ている。

師匠デービッド・スメイルとの2ショット【写真】

14日(土)の午後10時過ぎに現地入りし、きょうは昼過ぎからラウンドを開始。今週は2つのコースが使用されるが、比較的フラットで、あまりクセがないパンサー・コースをまずはプレーした。それでも、「グリーンは目が強くて、順目、逆目をしっかり見ないといけない。ラフも難しいので、きちんとフェアウェイキープをしないと」と、パッと見だけでは分からない部分まで、しっかりと“米国仕様”になっている。

ステージ1は89位タイとカットライン上でなんとか通過。最終日に叩いた「75」には悔しそうな表情を浮かべた。ここで同じ轍を踏むわけにはいかない。「4日間気を引き締めて。一打一打集中して、最後まで気を抜かないように」という思いも当然ながら強い。そして、この“一打一打”は、日頃、師匠からも口酸っぱく言われている言葉だ。

伊藤が指導を受けるのは、2002年の「日本オープン」制覇など男子ツアーで通算5勝を挙げているデービッド・スメイル(ニュージーランド)。現在はシニアツアーでも活躍するトッププロに、「タイミングが合った時に、今は月2回くらい」という頻度でゴルフを教わっている。

現在スイング作りはひと段落。『一打一打に集中』することや、自信を持ってプレーすることの大事さ、マネジメント面を重点的に練習するようになど説かれているという。そして今週キャディを務めるのは、師匠の奥様というのだから、“気を引き締める”にはもってこいの人選といえる。ラウンド中は、流暢(りゅうちょう)な英語で楽しそうに会話をする姿も印象的だった。

「雰囲気的にはステージ1と同じ。日本のプロテストも経験しているけど、少し違いますね。こっちのほうがノビノビしています」。現在、日本の女子ツアーは、プロテストに合格した選手でないと年末のQTが受けられない。試合にも原則出られないため、「小さい頃から憧れはあった」という米国ツアーにも挑戦している。7度目の出場となった今年のプロテストは、2次で涙をのむことになったが、「日本のプロテストだけだと1年に1回しかない。それ以外の道を考えて、受けようって決めました」とほかのルートは残されている。

「(指導を受けられるのは)恵まれているなと思うし、いい結果を出して喜ばせたいです」。ショットでのミスの原因は緩むことだといい、これが目下の課題。そのためフィニッシュまでしっかり振り切ることを意識したスイングを、72ホール続けられるよう集中を高めていく。ロシア出身の母を持つハーフは、身長168センチと体格面でも恵まれている。一歩一歩、そして一打一打、ツアー転戦へと近づいていきたい。(文・間宮輝憲)

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