<日本女子アマチュア選手権 Presented by カープレミア 初日◇16日◇北海道ブルックスカントリークラブ(北海道)◇6578ヤード・パー72>
17歳の後藤あい(松蔭高3年)にとって、先週は刺激と学びに満ちた一週間になった。「アプローチのいいイメージがすごく出てきて。それは今までにない感覚でした」。この経験が3アンダー・4位タイと上位で滑り出した、初日のラウンドにつながっている。
「宮里藍 サントリーレディス」での役割は、選手ではなく青木瀬令奈のキャディだった。普段、青木のバッグを担ぐ大西翔太コーチが、体調不良により急きょ離脱。そこでコースから車で約30分の神戸市内に住む後藤に“依頼”が来た。「初めて」のキャディという仕事。だが、収穫は大きかった。
「青木さんは先生というか、いいアドバイスがもらえました。ロープ内で(青木のプレーを)見ることはすごくよかった。ショートゲームがすごく上手ですし、キャディをしながらずっと勉強していました」
それをすぐさま、自分のイメージへと昇華させる能力もすごいが、貴重な時間の効果は大きい。初日のラウンド前などには、“先生”からLINEで応援のスタンプも送られてきている。女子アマチュアゴルファー日本一の称号へ、技術面、精神面ともに背中を押してくれる“お姉さん”だ。
北海道ブルックスCCは、今回、初めて回る。ここはフェアウェイが狭く、飛ばし屋有利とは決して言えない。事実、前日の練習ラウンドの時には「向いていない」と感じていたことも明かす。それでも「アプローチでなんとかチャンスにつけたり、ショートゲームがすごくいい感じのままラウンドしていました」と、学びを即アウトプットし、スコアを作った。
5番、6番と連続ボギーが先に来て「しんどいラウンドになるんじゃないかな」と、不安もよぎった一日。だが、それを8、9番の連続バーディで取り返すと、11番パー5では流れを決定的に変えるビッグプレーも生まれた。2打目がグリーン奥に飛び、バーディパットはカップまで15メートル。「2パットで抑えよう」という気持ちで放ったボールは、下りのフックラインに乗り、そのままカップインした。
「まさか入ると思わなくて、そこでスイッチが入ったというか、余裕ができました」。この後はボギーもなく、14番、17番のバーディで上位に浮上。その狭いフェアウェイでドライバーが好調なのも大きい。北海道特有の洋芝も、「ターフを取り過ぎないよう、強く(ヘッドを)入れず。なるべくソフトなイメージで振ると、スピンもキレイに入る」と、攻略法を見出した。
昨年10月には国内女子下部のステップ・アップ・ツアー「SkyレディスABC杯」で史上7人目となるアマチュア優勝を達成。今年も「KKT杯バンテリンレディス」などレギュラーツアー3試合に出場し、すべて予選通過を果たしている。大会を主催する日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチーム(アマチュア日本代表)メンバーとして、そのユニフォームも着用。「空回りしないようにしています」と、これも背筋を正してくれる。
2日目は午前組でプレーする。「朝だときょうよりも寒くなると思うので、そこに対応したい。あとはアンダーパーで回れるように」。昨年は8位ながらも、優勝した中澤瑠来(るな)に7打差をつけられた。また同年の「日本ジュニア選手権(女子15~17歳の部)」も2位と惜敗。悔しい思いは、もういらない。今秋には、初めてのプロテスト受験も控えている。先輩から盗んだ技術を、ビッグタイトル獲得のためフルで投入する。(文・間宮輝憲)
