<メイバンク選手権 初日◇29日◇クアラルンプールG&CC(マレーシア)◇6536ヤード・パー72>
ディフェンディングチャンピオンが今年も強い。山下美夢有が8バーディ・1ボギーの「65」で回り、首位と1打差の2位タイで滑り出した。
歴代覇者が顔をそろえたペアリングのなかでも、存在感は際立った。後半にかけて勢いを加速させるのは、もはやお決まりの展開。1アンダーで迎えた前半8番から3連続バーディを奪取した。9番では、8番アイアンでの2打目を強いフォローの風に乗せ、手前5メートルにつけた。
「ティショットがブレていた」と振り返る一方、表情を緩めながらこう続ける。「アゲンストが吹いているときにラフに入れていたので、風の影響が少なくて、スピンコントロールがしやすかったかも。外してはダメだから、ラッキーと言っていいのか分からないけれど…(笑)」。
フェアウェイからのショットに比べ、ラフからはスピン量が減る。向かい風の場合は、スピンを抑えた弾道で風の影響を軽減することが有効になる。ミスショットを単なるロスに終わらせず、状況に応じた攻略につなげる技術と判断力も強みだ。
ティイングエリアが前に出て249ヤードに設定された16番の“ワンオンチャレンジ”でも、5番ウッドで刻む選択をした。「風が強かったので、ここは攻める場所でもないと思った。自分が得意な距離を残しました」。3メートルにつけて“計算通り”のバーディ。攻めと守りの駆け引きも、お手の物だ。
コーチである父とテレビ電話で話しながら練習ラウンドする様子もあり、「ショットがあまりついていない」と、パーオン率は72%(13/18)にとどまった。それでも、パッティングのスコア貢献度(SG)がツアー1位の巧者は、この日もパターでカバー。24パットにまとめた。
「長いパットから短いパットまで入ってくれた。パットが決まればスコアがつくれるコースでもある」。1カ月前の「ロッテ選手権」途中から、トゥーロンの新マレット『MONACO H1(クランクネック)』にスイッチ。しっかりと手になじみ、グリーン上での好調を支えているようだ。
「集中力を切らさずに、どういう状況がきても、自分のプレースタイルをできるように頑張りたい」。日米合わせて2度目の連覇に向けて、挑戦はまだ始まったばかりだ。(文・笠井あかり)
