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17番ではスーパーショット 西村優菜がカムバックのため見せた終盤の攻撃姿勢

西村優菜が気合のラウンドで予選突破を決めた。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2023年4月14日 14時54分

<ロッテ選手権 2日目◇13日◇ホアカレイCC(米ハワイ州)◇6603ヤード・パー72>

「またこの位置からのスタートなんだな」。すっかり日も暮れるなか3オーバーで終えた初日のラウンド後、西村優菜はこんな力ない言葉を口にしていた。しかし一夜明けると、その眼光はするどい。「とにかく耐えてチャンス待ちだと思っていた」と、歯を食いしばりながら、まずは予選通過を目指して歩みを進めていった。

序盤はパーオンこそするも、なかなかチャンスの距離にはつかない展開。パッティングも「下りでアゲンスト、上りでフォローという場面が続いて、そこが風が強い時の難しさだなと感じてました」というなか、しぶとく2パットのパーでしのいでいた。ようやく最初のチャンスが訪れたのが9番パー3。6番ユーティリティのティショットを1メートルにつけてバーディを記録した。「耐えていたので、そこでついて、入ったのは大きかった。でも1個(伸ばすだけ)じゃ予選通過はできないと思って、流れを切らさないようにと思ってハーフターンしました」。最終的にはトータル2オーバーまでカットラインは下がったが、この時点ではまだ1打及ばない位置にいた。

11番でもバーディを奪ったが、終盤「ここで来たかぁ」とガッカリするボギーが来てしまう。それが16番パー4。ここは前日の難易度1位とあって警戒していたこともあり気を落としたが、同時に「残り2ホールのどっちかで獲ろう」とスイッチが入った。こうして生まれたのが、17番パー4のスーパーショットだった。

残り160ヤードのアゲンストという状況の2打目は、170ヤード打つイメージで9番ウッドを振り抜いた。すると低く出たボールが、“あとわずかでイーグル”というほどの一打になる。残りは10センチ。楽々流し込んでバウンスバックを決めた。ちなみにここも「自分のなかで1、2番目に難しい」と語る難所で、初日の難易度は16番ホールに次ぐ2番目だった。

「午後組がどうなるかは分からない。ずっと1オーバーと出ていたので、そこがカットラインだと思ってプレーしました」。右に縦に長い池がある18番パー5の2打目も、「フォローだし、いずれにせよ難しい」と刻むという選択を捨て、エッジまで残り235ヤードを3番ウッドで一気に運ぶ攻めの姿勢を見せた。これは「悪くない場所」という左手前のバンカーに入ったが、誤算だったのはそのライが左足下がりのつま先下がりで砂が無い「最悪」という状況。だがシャンクも心配しながら打ったリカバリーショットから2パットでしのぎ、トータル1オーバーのままクラブハウスに帰ることができた。

「きょうも最後まであきらめずにできました。アメリカに来てからは、ずっとこういうプレッシャーを感じながらプレーしている。そのなかでもアンダーを出せるようになってきたのはすごく大きいですね」。最後の一打まで予選カットラインを気にしながらプレーし、2週前の「DIOインプラントLAオープン」に続く決勝進出には成長も感じている。

1つのボギーを境にスイッチが入り、攻め切った終盤を、46位タイで入るあすからの決勝ラウンドにつなげたい。「チャンスにつければパットのフィーリングは悪くない。ショットを修正して明日に臨みます」。ラウンドを終え、まず出てきた言葉は「疲れました」。その時のホッとしたような笑顔も印象的だった。(文・間宮輝憲)

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