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日本勢4人目のメジャー制覇 古江彩佳の強さはどこにある…【石井忍に聞く】

日本勢4人目となる海外メジャーを制した古江彩佳の強さの秘訣はどこにあるのか。WOWOWで米国女子ツアーのラウンド解説を務める石井忍氏に聞いた。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2024年8月13日 09時00分

今年7月に「アムンディ・エビアン選手権」で日本勢4人目となる海外メジャーを制した古江彩佳
今年7月に「アムンディ・エビアン選手権」で日本勢4人目となる海外メジャーを制した古江彩佳 (撮影:佐々木啓)

国内女子ツアーで8勝し、2022年に米国女子ツアーへ本格参戦。そして今年7月に「アムンディ・エビアン選手権」で日本勢4人目となる海外メジャーを制した古江彩佳。“新メジャー女王”の強さの秘訣はどこにあるのか。WOWOWで米国女子ツアーの解説を務める石井忍氏に聞いた。

古江彩佳の安定感はバックスイングがカギ【連続写真】

まず古江の強さは「いつも通りさ」と話す。「(結果が)よくても浮かない、悪くてもがっかりしない。自分のなかの気持ちの変化もいい意味で感じない」。さらに「肩に力が入って、気合いが入って手が外れたみたいな。そういうのがなくて、もう本当にいつも通りですね」と感情を表に出さないうえに、スイングの乱れもない。どの試合でも淡々とプレーを続けられることが古江の強さと見ている。

今季、古江のスタッツを見てみると平均スコアは『69.887』と全体1位。フェアウェイキープ率は『83.4%』の3位、パーオン率は『71.7%』の9位とショットの安定感が光る。それを支えるスイングの強さについても教えてくれた。古江のスイングでポイントに挙げたのは「再現性の高さ」だ。「完全ワンプレーンではなくて、少しインサイドにループしていくのですが、それが大袈裟すぎない」と適度なインサイドループがどの試合でも保たれており、これこそが安定感の源のようだ。

そのインサイドループについては「下半身、骨盤、胸郭、左腕っていう感じで、動きの順番が守られてる。下から動かすことで、クラブがいい意味でちょっと遅れてくる。その瞬間、少しだけループする感じ。外に上げて、激しくループするというより、まっすぐ上げて、下から『じわっ』と回転してくることで、 受動的にインサイドから入ってきている」。ツアープロコーチならではの目線で分析してくれた。

エビアン選手権を制したことについては、何か特別なことが起こったわけではなく「いつも通り積み重ねてきたものがメジャーで出た」と話す石井氏。古江は現在まで60台で回ったラウンド数は28回と現在世界一位のネリー・コルダ(米国)を超える1位。さらにパー以下のラウンド数も44回と1位を記録しておりポテンシャルの高さは折り紙つき。まさに来るべくして来たメジャー制覇であった。

古江のプレースタイルは「無理せず、 ショートサイドをガツガツ狙うこともないですし、自分から勝負に行くタイプではないですが、一度噛み合ってくると、続けて爆発もする」と話す石井氏。タイトル獲得を手繰り寄せた最終日の18番パー5のセカンド。池ポチャギリギリのショットで2オンに成功しイーグル奪取してみせた一打は記憶に新しいが「テンション上がってましたね。さすがにしっかり振ったなって感じがありました」とこのときばかりは石井氏の目にも“いつも通り”とは映らなかったようだ。

そして古江は今週から行われる「ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン」に出場する。22年に海外ツアーで初優勝した思い入れのある大会で、メジャー制覇以来の試合となる。ビッグタイトルを手にしても“いつも通り”なのか。それとも“変化”が見られるのか。ますます古江のプレーから目が離せない。

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