<ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン 初日◇9日◇ペリカンGC(米フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
「久しぶりに自分の納得するゴルフができたと思う」。すでに陽も傾き、薄暗くなった18番グリーンから上がってきた勝みなみが満面の笑顔で1日を振り返った。8バーディ・1ボギーの「63」で回り、首位と1打差の暫定2位タイ。今季“最終戦”ともなりうる大会で、爆発してみせた。
出だしの1番から連続バーディ。「ありました」と、いける予感はあった。4番で3パットボギーを喫したが、その後はチャンスを作り続けた。「ショットが安定していた」というラウンドではたびたびピンに絡めてバーディを量産。後半の10番からも3連続バーディ。14番パー5では3打目を1メートル、15番パー3ではピン筋のティショットでさらにスコアを伸ばした。「イメージがすごくよくなってきた」とショット、パットともに気持ちよくラウンド。「はい、楽しかったです(笑)」と舌もなめらかだ。
好調に加えてツキもあったのがこの日のラウンド。7番パー5ではティショットがプッシュアウトしてボールは隣の4番のフェアウェイに着弾した。「本当は失敗でした。でも完ぺきなアングル(笑)」と、前は開け、むしろグリーン手前のバンカーも気にすることのない場所から2オンに成功。「たまにはこういう日もないと」と運にも恵まれ、2パットのバーディとした。
来季フル出場権獲得のためには今大会終了時に年間ポイントランキングで80位以内が条件で、78位の勝にとってはここが正念場。そんな崖っぷちにも、「自分のゴルフだけを考えてやろう」と臨み、納得のプレーを繰り出したことには自信も深めることができている。
ランキングを気にせずに、純粋にゴルフを楽しんで結果を気にしないと話した大会前。言葉通り、初日の出来には大満足。このままいけばランキングも60位を突破し、次週の最終戦にも滑り込み可能。「最後の最後にいいゴルフができてよかった」と喜んだが、6月以来の1ラウンド7アンダーを2日目以降も続け、次週を本当の“最後”にしてみせる。(文・高桑均)
