<AIG女子オープン 2日目◇31日◇ロイヤルリザム&セントアンズGC(イングランド)◇6601ヤード・パー71>
大会直前に出場権がおりてきて、初の全英を戦っている21歳・荒木優奈は、ラウンド中、焦っていた。「このままじゃ全米とまったく同じだ」。6月に出場し予選落ちした「全米女子オープン」の記憶と重なった。
その時は決勝進出まで2打及ばなかったのだが、同様にボーダーラインとの戦いを続けていたのが理由。2連続バーディで滑り出しながら、6番、10番、そして12番とボギーが続いたのも、そんな感情に拍車をかけた。だが、15番でもスコアを落とし、トータル4オーバーでカットライン上まで後退した時、荒木のなかで何かが“弾けた”。
「やばい、やばいと思っていたら、逆に“スン”となって、落ち着いたというか、急に冷めちゃったんです。イライラしてたのが“スン”って」。なんとも独特な感情。これまでも、予選通過か否かに追い込まれた時、たまにこういう状態になるという。あえて言うなら、開き直った感覚に近いらしい。
ただ、効果はてきめん。16番では残り85ヤードの2打目を4.5メートルにつけて14ホールぶりのバーディを奪った。さらに18番も、2打目をアゲンストの風にぶつけ2メートルにつけ、これを決める。上がり3ホールの2バーディで、トータル2オーバー・31位になり、メジャー2試合目にして初の予選通過を決めた。
この予選ラウンド2日間は、同じ熊本県出身で2学年上の竹田麗央と同組でプレー。それは刺激に満ちた36ホールでもあった。「球の高さが全然違うから、フォロー(の風)でもアイアンでグリーンに止まるし、パターがすごくうまいと思いました。微妙なパットを決めてくるところが、やっぱりトッププロですね」。米ツアーのレベルを、身近な人から学ぶことができた。
故郷・熊本は、日本時間7月28日午後4時27分頃に発生した地震で深刻な被害を受けている。そのなかトータルイーブンパー・20位タイの竹田とそろって、決勝に進むこともできた。「麗央ちゃんについていくつもりでした。地震のこともありますし、1ホール1ホール、必死にやっていました」。終盤には急に冷静になったが、熊本を思う気持ちはどこに居ても変わらない。(文・間宮輝憲)
