<AIG女子オープン 2日目◇31日◇ロイヤルリザム&セントアンズGC(イングランド)◇6601ヤード・パー71>
去年の全英女子では、初日を3アンダーの4位で滑り出しながら、2日目に「81」を叩き予選落ちした。吹き荒れる強風のなかでプレーし、思うようにいかなかった日のことを「頭の中が真っ白。悔しさでいっぱいだった」と桑木志帆は振り返る。さらには「リンクスは嫌い」とも言う。だが、その経験は決して無駄にはなっていない。
2位からスタートした、このロイヤルリザム&セントアンズGCの2日目も冷静なプレーを続けた。3番でボギーが先に来たが、4番パー4で7.5メートルのパットを決めてバウンスバックに成功すると、5番パー3も5メートル、2オンした6番パー5では16メートルからきっちり2パットで沈め、3連続バーディを記録した。15番のボギー直後にも、すぐにバーディで取り返す。トータル6アンダーで2位をキープした。
この落ち着きの背景には、昨年の苦い記憶をきっかけに風への対処法を学んできたことがある。1年前は、とにかく風の抵抗を抑えるため、低い球を打つことだけに注力していた。しかし、今は違う。「スイングの幅を抑えて風に乗せたり、番手を1つ、2つ上げて、風にぶつけたり、風に対するショットのレパートリーが増えてきたかなと思います」。練習場ではもちろん、試合でも様々な打ち方を模索し、体に染み込ませてきた。
「以前はボールを上からつぶして、低い球を打つだけだった」というスタイルから一変。今では、このやり方で低い球を打とうとすることすらなくなったとも言う。リンクスで過ごした2日間が、ゴルフの幅を広げることにもつながった。
また、今季ここまで戦ってきた3試合のメジャー大会も、自信を植えつけている。「知っている人も増えてきて、自分らしくプレーできている。最初は何番目に打てばいいかも分からなかったけど、自分がガツガツいっても相手はなんとも思わない。自分を大事にしようと思えています」。すっかり海外の水にも慣れた。
全英の2日目という“鬼門”はクリアした。ここからは優勝を争う選手のひとりとして、堂々とプレーするだけだ。ホールアウト時点では単独首位に立っていたが、浮ついた気持ちも「全然なかったです。コースも状況も難しいので、1ホールずつ向き合うしかない」という言葉も頼もしい。
桑木から単独首位の座を奪ったのは、ユ・ヘラン(韓国)。「KPMG全米女子プロ選手権」、「アムンディ・エビアン選手権」を制し、現在メジャー2連勝中の強豪だ。さらに3位のひとりに世界ランク2位のジーノ・ティティクル(タイ)が続くなど、上位層は厚い。「この風や状況、コースの難しさを楽しむ気持ちを大切に」。残り2日間は、来季の米ツアー参戦を目指す23歳にとって、このうえない“予習”の時間にもなる。(文・間宮輝憲)
