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「まだ経験値が足りない…」 渋野日向子が感じた“聖地”の難しさ

2019年の大会覇者・渋野日向子がセント・アンドリュースでの戦いに挑む。

所属 ALBA Net編集部
齊藤 啓介 / Keisuke Saito

配信日時:2024年8月22日 06時30分

<AIG女子オープン 事前情報◇21日◇セント・アンドリュース・オールドC(スコットランド)◇6784ヤード・パー72>

先週行われた「ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン」の初日に左の股関節からでん部の痛みを発症し、涙の棄権となった渋野日向子。プロアマが行われた21日には、元気な姿で取材に応じた。

全英制覇時の渋野さん…今見るとあどけない?【写真】

気になる体調は、「3日くらい(クラブを)握っていない。しっかりケアもしてもらって不安要素は消えているし、痛みもない」と患部の状態については良好。さらに先週は「このままやっているのも怖かった」と心境を吐露していたが、その怖さも無くなったと笑顔で話した。

渋野といえばやはり思い浮かぶのは2019年大会。「やっぱりなんか違うんですよね…イギリスは」とやはり縁を感じずにはいられない地だ。あれから5年が経ち、今年はゴルファーにとってこの上ない舞台が用意され「この試合を何年も前から楽しみにしていた」とその思いは強い。先週の棄権もあり出場へ不安を感じていたものの、無事に大会を迎えられることに「ここに来れて幸せ」と胸を撫でおろした。

月曜日からラウンドを重ねる渋野だが、回るごとにこんな思いが募る。「経験値が足りないっていう風に思います。色々なコースを回ったり、世界を回って色々経験はしてきましたが、ここ(セント・アンドリュース)に臨むのはまだ早いなっていう風に感じています」。コース攻略には更なるレベルアップが必要と考えているようだ。具体的には「上に位置する技術」が足りていないと話す渋野は、選手を例にあげ「古江選手は今年トップ10に10回入っている。そういう積み重ねとか経験というところが自信に繋がると思う。そういう部分が自分には少ない」。常に上位争いをする“癖”をつけて“聖地”に入りたかったというのが本音かもしれない。

3ラウンドを回り、「グリーン周りがあまりにもグリーンに似ているんで、アプローチよりパターの方が寄る感じ」。リンクスならではの“寄せ”を念入りにチェック。さらに17番の名物でもあるトミーズ・バンカーにも挑戦。「友達にはなれないんじゃないですかね(笑)」と“しぶこ節”を効かせつつ警戒感を強めた。

今季のメジャーはこれが最後。前半は何度も予選落ちを喫し苦しい時期も過ごしたが、「全米女子オープン」で2位に入ると以降は国内ツアーを除いて、予選落ちはゼロ。「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でも7位と息を吹き返したかのように調子は上向いた。「今までのことを考えたらすごくよかったですし、ここに来るまでに自信を取り戻せたらと思っていたので、それができてよかったなと思います」とメジャー最終戦を前にいい状態に持ち込めたことは安心材料でもある。

そして戦いの前に「楽しみたいけど、結果も出さないといけない」と気を引き締めた渋野。「悔いの残らないように自分の知恵を出し切りたい」。米ツアーで積み上げてきた経験を“聖地”で思う存分ぶつけたい。(文・齊藤啓介)

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