<Qシリーズ(最終予選) 5日目◇8日◇マグノリア・グローブGC(アラバマ州)◇フォールズC=6643ヤード・パー71、クロッシングスC=6664ヤード・パー72>
10月の2次予選をトップ通過した櫻井心那は、長丁場の一日をいい形で終えた。
この日は、前日に日没順延した第3ラウンドの残りと、最終ラウンドが行われた。「最初は寒くて、きょうも長いと感じた」。前日の大雨に変わり、きょうは寒さが“敵”になった。体が動きづらく、さらに地面がやわらかいため、ティショットでランがあまり期待できない状況。必然的にその距離もより長く感じる、というわけだ。
それでもフォールズCの6番ティから再開すると、13ホールで2バーディ・1ボギーと1つ伸ばした。この時点でトータル7アンダー・6位タイまで浮上。米ツアー進出へ着実に前進する午前中だった。
この後、1時間ほどの休養を挟むと、すぐにクロッシングスCの10番から最終ラウンドがスタート。幸先よく13番パー5でバーディが来ると、17番パー3では「読み切った4メートル」のパットが決まる。さらに18番では、2打目が6番アイアンで1メートルにつける会心ショットで、連続バーディを奪った。
18番グリーンを下りたところで、きょうのプレーは終了。計22ホールを回ったが、「キリがいいところで終わったのでよかった。(クラブハウスから近いため、翌朝の)移動が徒歩だから、その分、寝られるかな」と涼しい表情だ。
“早朝のストレス”は少なく済む最終日だが、スタートホールの1番は「難しいピン位置ですし、長い」と警戒する場所。ただ、それさえも「最初から気を引き締められるしよかった。気を引き締めて、残り9ホール頑張りたいです」とポジティブな要素になる。
最後のラッシュで、トータル10アンダー・暫定2位タイまで浮上した。首位とは1打差と、2次に続いてのトップ通過も見えてきた。「順位や周りの数字は考えてないです。自分のスコアだけをみて」と、慣れない土地でもマイペースは貫けている。
「あしたは少し余裕を持っていけるのでそこはよかったです」。21歳にして、日本ツアーで5勝を誇る“ダイヤモンド世代”のひとりは、カットラインではなく上を見て最後まで戦っていく。(文・間宮輝憲)
