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「外してはいけんところ」をどう攻めるか 渋野日向子に見た攻める勇気と守る勇気の見極め【記者の目】

「外してはいけんところ」をどう攻めるか 渋野日向子に見た攻める勇気と守る勇気の見極め【記者の目】

配信日時:2022年10月4日 12時00分

ショートアイアン、もしくはウェッジでフルショットをすればスピンがかかってしまい、大きく戻ってしまうことも予想される。ましてやこの日のピン位置は段の上になっており、グリーンの手前まで戻ってしまう可能性もある。スピンコントロールが非常に大事なショットになるのは明らかだった。

ただ、この時点で予選カットラインに達していないという焦りもあったし、攻める気持ちもあった。その結果「アドレナリン」と、さらには気温も上昇したせいで、普段より5ヤード以上キャリーが出てしまったのだ。これによりピン近くに1バウンドしたボールは、グリーン奥のラフへと消えてしまう。

大会前には、「安全な場所に乗せて、ロングパットが残ってもしょうがない」と、割り切ることも必要と言っていただけに、この1打はなんとも悔やまれるものになった。もしここで安全に手前に乗せてパーで終えていたらと考えると…。結果論だが、まだ予選通過のチャンスはあったし、ボギーを叩いて気持ちが落ちるのと、“仕方ないパー”で終えるのとでは、気持ちの面では少し違ったはずだ。

15番に続く16番のパー3もティショット、2打目、3打目とミスし、4打目でチップインボギー。17番のパー5は距離も短く、うまくいけばイーグルチャンスにつくこともあるホールだっただけに、15、16番とパーを拾って、17番のチャンスにかけるという手もあったと思う。結果論だが、17番では実際に2オンしてイーグル逃しのバーディを奪った。もし15、16番がパーだったとしても、予選通過には一打足りなかったが、大きく落胆してコースを去ることはなかったかもしれない。

「番手を大きく間違えてしまっているところも多かった」とも振り返る。パーオンは初日が8ホールで、2日目が9ホール。明らかにグリーンに乗る回数が少ない。「マネジメント力も衰えているし、もう少し自分と向き合わないといけないと思う」。してはいけないミスにより頑張りが台無しになってしまう。そんな姿が痛々しかった。「外してはいけんところに外してる回数が多い。安全策ができていない」。守るマネジメントと攻めるタイミングのメリハリを見直す必要があるとした。

攻めるも勇気、守るも勇気。大胆なイケイケゴルフでルーキーイヤーを駆け抜けてからすでに3年。次のステージに上がろうとしている渋野にとって、いまガマンのときを迎えている。「ウェッジでの縦距離が合っているところもあったし、ティショットもよかった」と言うように、マイナス面ばかりではない。タイミングと選択。ハマれば全英での優勝争いのようなゴルフができるのだから、焦らずに課題と向き合って解決していってほしい。(文・高桑均)

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