まさかのスタートに表情がこわばった。「ボーッとしながらでしたけど…。切り替えながらやっていたつもりではあるんですけど」と、茫然自失のなかでも懸命に取り戻すプレーを試みた。11番ではバーディチャンスにつけたが決まらず。12番ではグリーンを外しボギー。その後も「縦距離が合っていなかった」とアイアンショットをピンに絡めることができず、チャンスを作り出せない展開が続いた。
それでも16番のパー5では3打目を1メートルにつけてバーディ。さらなる挽回を期したが、その後は2ボギー。結局スコアを6つ落とし、トータル11オーバーの73位タイ。最下位に沈んだ。
「きのうほどショットが悪いイメージはなかった。18ホールを回ってみて、特に悪くはなかったはと思うんですけど、やっぱりそれ以上に、パッティングの印象のほうが悪すぎて。ショットどうこうとかいうよりは、パッティングが目立っちゃうなと思います。読みに対しての自分の球の転がりが計算できていない。そういうところも必要になってくるなと今日は思いました」
ホールアウト直後は「悔しいです、めっちゃ悔しいです」と声を絞り出した。「鼻をへし折られたというか。今までここに来るまでは飛距離が必要だと思っていたんですけど、飛距離どうこうの問題じゃないなというか」。オフから課題として取り組んできたグリーン周りのアプローチに加え、グリーン上でも苦戦を強いられたことに悔しさがこみ上げる。
海外遠征6試合目で集大成と位置づけた今大会。初日の好スタートからスコアを落とし続けた2日目、3日目だったが、幸いにもまだ18ホールを残す。「悔いの残らないラウンドはしたいんですけど、たぶん明日もしっかりやられるんだろうなというのは思っている」。伸びしろしか感じていないと話していた渋野。やられたっていい。失敗を恐れず持てるものをすべて出し切って、納得の形で米ツアー転戦を終えたい。

