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蝉川泰果の“クセ強”スイングが飛んで曲がらないのはなぜ?【青木翔さんに聞く】

蝉川泰果の“クセ強”スイングが飛んで曲がらないのはなぜ?【青木翔さんに聞く】

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2022年11月3日 13時45分

強烈なフックグリップで握り、そのままインパクトで押し込み、フォローで腕とクラブが1本の棒のように動き続ける
強烈なフックグリップで握り、そのままインパクトで押し込み、フォローで腕とクラブが1本の棒のように動き続ける (撮影:上山敬太)
普通、飛ばし屋ほどフェアウェイキープ率は低くなる。反対にフェアウェイキープ率が高い曲がらない選手ほど平均飛距離は低くなるもの。飛ばすか曲げないか。どちらかが突出していれば、片方は下がる。しかし、蝉川泰果(せみかわ・たいが)は「日本オープン」で驚異的な数字をマークする。ドライビングディスタンスは309.125ヤードで2位、フェアウェイキープ率は73.214%で4位と、文字通り飛んで曲がらないドライバーで優勝したのだ。

蝉川泰果はインパクトで左のお尻があまり見えない!?【連続写真】

ドライバーの総合力を示す『トータルドライビング』という部門がある。ドライビングディスタンスの順位とフェアウェイキープ率の順位を合算したものだ。石川遼は「めちゃくちゃドライバーが上手い印象で、トータルドライビングは彼のためにあるみたいな感じ」と驚嘆する。そんな蝉川のスイングは一見するとクセが強くて個性的。カタチだけを見ると、飛んで曲がらないとは信じがたいのだ。小・中・高と蝉川を教えてきた青木翔氏に、飛距離と正確性を両立する要素を聞いてみた。

「クセだらけですよね」と青木氏。蝉川のグリップを見ると、左手を上からかぶせて握る強烈なフックグリップ。そしてトップではシャフトが飛球線とクロスする。フックグリップはまだしも、シャフトクロスはスイングプレーンから外れる動きであり、下ろすときにうまく戻せないと曲がる原因にもつながる。

「フックグリップ(からの変更)はショットに悩んだときに一回チャレンジはしました。もうちょっとスクエアにしたけど、やっぱり無理だった。シャフトクロスに関しては、それで泰果が困っていなかったし、自分の体の特徴に合わない無理なことはやらずに、他のことをやればいいと思って直しませんでした」と話す。

さらに、「体重移動もできなかった。正面からバックスイングを見ると、右腰がアドレスの位置よりも中に入ってくる。移動はしていないんです。体重移動できないのなら、回転力を使えばいい」と、体の特徴に合わせて型にはめることはしなかった。スイングは青木氏が教え始めた小学校6年生の頃と「ほとんど変わっていない」という。

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