<ソニー 日本女子プロゴルフ選手権 事前情報◇9日◇片山津ゴルフ倶楽部 白山コース(石川県)◇6755ヤード・パー72>
原英莉花には“神通力”とも言えるエピソードがある。腰痛を抱えるなど、ゴルフの調子が上がらなかった2021年11月「大王製紙エリエールレディス」の週に、知り合いから『これいいよ!』と言って手渡されたお守りをバッグにつけると、その週に優勝した。
さらに、23年「日本女子オープン」開幕前の9月末。再び同じ人物から『買ってまた持ってきたよ。お祈りしてるね』と新たなお守りをもらうと、ここでも勝利をつかみとった。
「もらったその週って不思議ですよね。私、こういうのがあるんですよ。あ、スピってない(スピリチュアルに傾倒しているわけではない)ですよ」と言って豪快に笑うが、確かに“不思議”な話。そしてそのお守りがあるのが、石川県小松市にある安宅住吉神社。難関突破の霊神として信仰を集めているが、現地入りした月曜日に訪れ、感謝の念を込めながら手を合わせた。
「やっと自分でお礼を言えました。(お守りも)ちょっと違うやつを買いました。難関突破と超難関突破(正式には特別難関突破)の2種類あるんですけど、いつももらってるのではない方にしました。…今思うと、なんで?」。そう言ってまた笑う。何かに導かれたかのように、自ら“勝ち守り”を選んだ。
今季初の日本ツアーでの戦いに、このメジャー大会を選んだ。現在は米ツアーに参戦し、日本のシードを持たない原の出場資格は『日本女子オープン過去3年間の優勝者』。お守りがつないだ“縁”でもある。選手権には過去7度出場し、最高成績は24年の17位タイ。メジャー4勝目がかかるなか「自分の状態も今はいいと思うし、楽しみ」と、自信を持って臨むことができる。
ここ片山津では、まだアマチュアだった15年の日本女子オープンでプレー。ツアー出場2試合目だった当時は、2日間で18オーバーをたたいて予選落ちと打ちのめされたが、「思ったより覚えてなかったし、違うコースかと思いました」と、先入観なく戦えそうだ。
難関の18番は、左サイドの木がフェーダーの原には気持ち悪く、「チーピンになってもいいからドローを打とうかな」と思わせるほど。だが、難コースとの対決を前に、その表情はやる気に満ちあふれている。
日本では「家で眠れるのがリフレッシュ」と、ゆったりとした時間も過ごせている。「メジャーの試合に出られる3年間がこれで終わりなので、もう一丁欲しいな~ってところはあります」。日本女子オープンに続く2つ目の“日本タイトル”獲得へ。不思議な力も借りながら進んでいく。(文・間宮輝憲)
