<ソニー 日本女子プロゴルフ選手権 事前情報◇9日◇片山津ゴルフ倶楽部 白山コース(石川県)◇6755ヤード・パー72>
2015年に今回と同じコースで開かれた「日本女子オープン」には、今や日本を飛び出して海外で活躍する当時アマチュアだった勝みなみも出場していた。同学年で1998年度生まれの黄金世代、原英莉花、小祝さくら、新垣比菜、吉本ひかるらとともにプロに挑戦した日本一決定戦。チョン・インジ(韓国)が三つ巴のプレーオフを4ホール目で制して激戦に幕を閉じたが、首位と5打差のトータル3オーバー・11位でローアマを獲得したのが、高校2年生の勝だった。
「パー5で全然バーディが取れなかった印象があります。あと、最終日はプレーオフになって、ずっと待っていて、自分の乗る予定だった飛行機が飛んでいった記憶があります。『あっ!あれに乗っていたんだって…』。これが一番の思い出ですね」
小松空港に隣接するコースからは、離発着する飛行機が低空でコースの真上を飛ぶのを見ることができる。自分のプレーは終了しても、表彰式に出席するために待機していた11年前。決着がついたのは日没時間を7分ほど過ぎた午後5時41分で、自宅のある鹿児島市に帰るための飛行機に乗ることができなかった16歳は寂しい気持ちで下から見送り、その日は近くの温泉街のホテルに泊まった。
最終日の最終18番パー4ではグリーン右バンカーからの3打目を直接カップに放り込んだ。最難関ホールだった18番で最終日にバーディを奪ったのは、勝を含めて4人だけ。ミラクルショットよりも「次の日は学校に行かないといけなかったので、やっぱり飛行機に乗りたかった」と鮮明に覚えている思い出に、開幕前日の会見は大爆笑に包まれた。
この大会は2年ぶり7度目の出場だが、最高は21年の5位で4度の予選落ちを喫している。出場資格がなかった今回は17年に新設されたアジア枠での出場で、「多分4月くらいにお話しをいただいて、米ツアーの日程も3週間空いていたので、どこかで(日本ツアーに)出たいと思っていた」と即決した。世界ランキングや実績などに基づき、大会を主催する日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が選出する同枠での日本選手の出場は初めてで、「なんか不思議な感じで、挑戦者の気持ちで臨めているかなと思っています」と意気込んだ。
「メジャーにはすごく思い入れがある。2回勝っているけど、どちらも日本女子オープンで、あと3つ残っている。そのうちの1つでチャンスをもらえてうれしかった。選手権との相性が悪いとは思わない。もちろん優勝を目指して頑張ります」
米ツアーに主戦場を移して4年目だが、頭の中には日本ツアーでのメジャー4冠が常にある。11年前の優勝スコアはトータル2アンダー。「フェアウェイに行けば、グリーンは止まるのでバーディは取れると思う」。今回の10アンダー前後のV争いをイメージし、2つ目のメジャータイトルに挑んでいく。(文・臼杵孝志)
