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今季自己ベスト&初イーグルに初ボギーなし 復活目指す櫻井心那がたどり着いた“新メソッド”【現地記者コラム】

苦しいシーズンを送ってきた櫻井心那が語った、新たな“メソッド”とは?

所属 ライター
臼杵孝志 / Takashi Usuki

配信日時:2025年6月3日 12時00分

櫻井心那が大事にする感性。ただそれは日々の練習に裏打ちされたものでもある。
櫻井心那が大事にする感性。ただそれは日々の練習に裏打ちされたものでもある。 (撮影:佐々木啓)

先週の国内女子ツアー「リゾートトラストレディス」は、プロ2年目の稲垣那奈子が初優勝した。2024年のルーキーイヤーは下部のステップ・アップ・ツアーが主戦場で、本格参戦1年目のレギュラーツアーは先週が14試合目。初Vまでの短い過程は、名前に同じ『那』がつき、今季は予選落ちの多さが気になっていた櫻井心那に似ている。

【写真】櫻井心那は使用する14本にも工夫が

長崎日大高卒の櫻井は21年11月にプロテストに合格し、ルーキーイヤーにステップ史上最多の年間5勝をマークした。2年目の23年は7月の「資生堂レディスオープン」でレギュラーツアー初優勝を果たすと、3試合後の「楽天スーパーレディース」で早くも2勝目を挙げた。9月には「ゴルフ5レディス」、10月にも「富士通レディース」を制して年間4勝。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、メルセデス・ランキング(MR)5位に躍進し、年間獲得賞金は1億1000万円を超えた。

24年は未勝利に終わったが、MR28位でシードは守り、「ミネベアミツミレディス」の2位などトップ10入りは5度あった。今季は2年ぶりの優勝を目指すシーズンとなるはずだったが、開幕から10試合で6度の予選落ち。最高は3月の「Vポイント✕SMBCレディス」の13位で、先週は4週連続予選落ちで迎えた今季11戦目だった。

「今まではスイングのことばかりに意識が向きすぎて、自分の感性や感覚を抑えていた。気がついたら、イメージが出ない。自分の長所であるはずの感性がどんどんなくなっていた。今週は攻めることをテーマにして、感性を大事にしようと思った。いいスイングをしてもイメージが合わないとミスは出る。やっぱり最初はイメージかなと」

スイングのことを考えるのは練習までと決めた。試合が始まったら自分の感性&感覚を優先する。効果はてきめんだった。最終日は昨年の「マスターズGCレディース」2日目以来、46ラウンドぶりとなるボキーなしで回った。4バーディの「68」は今季自己ベストだった。初日のスタートホールで2打目を直接カップインさせた1番パー4の今季初イーグルで始まった4日間。トータル2アンダーで17位の結果につながった感性復活のゴルフが表情を柔和にした。

今季開幕前はプロコーチの目澤秀憲氏とスイング修正に時間をかけた。初めてプロコーチに指導を仰いだ充実のオフ。「始まるのを楽しみにしていた」という4年目のシーズンだったが、真逆の結果に悩む日々が続いた。「落ち込みますよ。スイングは良くなっているはずなのに、結果が出ない。どうしたら、いいんだろうって…。今週の結果には満足しています。イーグルもあったし、ラッキーもあった。パー5で2オンもできた。運も来ているかな」

「理論」だけでは頭でっかちだし、「感性・感覚」だけでは限界がある。要はどちらも大事で、順不同。23年10月に45位まで上がった世界ランキングは186位にまで落ちたが、ここからは上げていくだけ。勝手な心配も杞憂に終わりそうだ。(文・臼杵孝志)

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