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54位→12位にジャンプアップ! プロ3年目の池ヶ谷瑠菜が応えた“師匠”からのゲキ「自分に負けるな!」

池ヶ谷瑠菜がある女子プロゴルファーに弟子入り。その選手とは…

所属 ライター
臼杵孝志 / Takashi Usuki

配信日時:2025年6月1日 08時00分

池ヶ谷瑠菜は“師匠”からのゲキに応え、上位フィニッシュを狙う
池ヶ谷瑠菜は“師匠”からのゲキに応え、上位フィニッシュを狙う (撮影:佐々木啓)

<リゾートトラスト レディス 3日目◇31日◇グランディ鳴門ゴルフクラブ36(徳島県)◇6585ヤード・パー72>

少し上気し、声のトーンも上がった。「ナイスラウンドでした」。54位から出て、4バーディ・2ボギーの「70」で回り、トータル2アンダーで12位に浮上。プロ3年目の池ヶ谷瑠菜は開口一番、自らに及第点をつけた。

【写真】前夜祭でドレス姿を披露する土肥功留美

「コーチには『自信がないだけじゃないの。自分に負けるな。自信を持てなければ、そこまでだよ』とずっと言われてきました。今週はショットがすごくいいし、パットも悪くない。言われてきたことが、少しわかったような気がします」

昨年1月、ツアー出場193試合の土肥功留美に弟子入りした。土肥の師匠で、池ヶ谷も面識があった永久シードの森口祐子に紹介されたのが最初の出会いだった。会えば挨拶する程度の関係は、土肥が出場したあるペアマッチのパートナーに指名されたことをきっかけに急速に強まり、師弟関係を結ぶまでになった。

ともに名古屋市内に住み、互いの自宅は徒歩圏内。「基本、いつも一緒です」と朝食は師匠の家で食べるのが日課だ。「土肥さんに教えてもらえるようになって、スイング、球筋…すべてが変わりました」。技術面に加え、こんこんと説かれたのはメンタル。「自分はすぐに限界を決めてしまう。(下部ツアーの)ステップならやれるけど、レギュラーツアーは上にいけないとか。マイナス思考でした」。

2022年に2度目の挑戦でプロテストに合格した。ルーキーイヤーの23年は21試合に出て、「楽天スーパーレディース」の19位タイが最上位だった。QTに失敗した24年は2試合の出場にとどまったが、ステップ・アップ・ツアーでは2位と3位がそれぞれ1度と、少しずつ力をつけてきた。

今季はここまで出場した3試合はすべて予選落ちだが、今週は予選ラウンドの2日間をともにパープレーの「72」で耐え、カットラインちょうどのトータルイーブンパーで初めて予選を通過。そして、強風のこの日は2オンに成功した16番パー5でバーディを奪うなど、「風のなかのプレーは苦にならない。けっこう、自信があります」とアンダーパーが5人しかいないうちの1人となり、上位に躍進した。

「自分の殻を破りたい。最終日は自分に自信が持てるラウンドにしたいと思います」

2003年度生まれで、同学年には昨季年間女王の竹田麗央、2週前の「Sky RKBレディス」でツアー通算3勝目を挙げた神谷そら、川崎春花らがいる。「土肥さんに教わる前は周りのことばかりを気にしていた。でも、いまは違います。あまりに知らなさすぎた自分のことを理解することに必死なんです」。

土肥にはこれまでコーチ料は一切、求められていないという。「がっちり稼げるようになったら、がっちりもらうからね。現金で!」。明るい性格の師匠のユーモアあふれる“ゲキ”も背中を押してくれる。

ツアー出場27試合目で巡ってきたビッグマネー獲得のチャンス。大会終了後は名古屋に戻り、師匠とラーメンを食べに行く約束をしているが、お勘定はお任せ。自分を変えてくれた師匠に、うれしい報告ができれば、うまいラーメンはさらにおいしくなる。(文・臼杵孝志)

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