<JLPGA新人戦 加賀電子カップ 初日◇10日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6525ヤード・パー72>
今年のプロテストに合格した22人のうち20人(横山翔亜とワン・リーニンが欠場)が、98期生ナンバー1の座を懸けた新人戦に参加。トップ合格の現役高校生プロ・伊藤愛華(埼玉栄高3年)が7バーディ・1ボギーの「66」で回り、
“2冠”に向けて首位タイで滑り出した。
11月のプロテストでトップ通過を果たし、来季前半戦の出場権を懸けたQTは1次が免除。先週のファイナルQTから参戦し、先輩プロに混じってトータル7アンダー・16位で前半戦のフル出場権をつかんだ。
好調のまま迎えた初日は「ショットの調子が良かった」と16番までに7バーディを奪った。17番パー3は、グリーン左サイドに池が広がる名物ホール。「右ピンの右に打ち出した」はずが引っかけて池に落としてボギー。単独首位発進は逃したが、詳細な記録が残る1996年以降では2012年の東浩子以来、史上3人目のトップ合格&新人戦Vに向けて視界良好だ。
プロテスト後の勢いは、今年の取り組みと直結している。「私はパーオン率が高い方がスコアはいいと分かったので、今年はパーオン率を高くすることを意識しています」。
これまでは平均250ヤード以上の飛距離を生かし、2打目もピンを攻めることが多かった。しかし今年はピンを狙わずにグリーンオンを優先。広いエリアを狙い、パットで決めるスタイルを確立した。「きょうも17番以外は全部パーオンでした」と狙い通りの展開だった。
反省点は17番に尽きる。今年はメンタルトレーニングにも力を入れており、「自分の感情を表に出さない」ことを意識している。14番から3連続バーディで伸ばして迎えた17番は「『きょうはいける』と、いい流れに乗りすぎちゃいました。“無”になることを忘れていました。あしたはいい流れができたら“無”になります」と振り返った。
首位タイには田村萌来美、3打差4位タイには吉﨑マーナと、同じ現役高校生プロも上位につける。「ジュニアの試合も一緒にやってきて仲はいいんですけど、試合になると負けず嫌いが多いので…」と意識する存在ではあるが、「結果的に勝てたらいいなぐらい。そんなに負けたくないとは思っていないです」。ここでも心を無にしてプロ初タイトルに臨む。(文・小高拓)
