＜ヤマハレディースオープン葛城 事前情報◇27日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース（静岡県）◇6455ヤード・パー72＞
先週の「アクサレディス宮崎」でツアー初優勝を飾った臼井麗香は「初めてのことなのでバタバタしてしまって…」と万全の準備はできなかったが、今季から力を入れているトレーニングはしっかりこなして、今大会に入ってきた。優勝がなければ、出場予定のなかったトーナメント。この舞台で改めて実力を示すつもりだ。
初優勝の反響はやはり大きかった。「LINEは『99+』と表示されていたので、実際に何件来ていたのか分かりません。インスタにも数千件来ていたので、まだ見切れていないんです」。昨年、一昨年と2年続けてシードを落とすなど、苦しい時期を過ごしていただけに祝福のコメントは後を絶たない。
仲のいい稲見萌寧ともテレビ電話で連絡を取り合った。「萌寧は素直におめでとうというより、照れてる感じでふざけながら喜んでくれました。ずっと号泣しているので、私がもらい泣きした感じです」。稲見は今季から米女子ツアーを主戦場としているため、話ができたのは日本時間で優勝翌日の早朝。盟友の涙を見て、優勝の興奮が蘇ってきた。
惜しむらくは優勝した試合で最高の写真が撮れなかったこと。「最終日が雨で中止だったので、きれいな写真がなくて。初日、2日目も花粉症でマスクをしてプレーしていたので、花粉のない時期だったら、もっといい写真があっただろうなと思っています」。2勝目はマスクなしでプレーし、青空の下で優勝トロフィーを掲げたいと青写真を描いている。
今大会での実績は2021年が21位タイ、22年が68位タイ。8ラウンドで60台が1度だけ、オーバーパーが5回と苦戦している。「難しいコースという印象が強くて、4日間頭を使わないとな、と思っています」。今回は3度目の正直でツアー屈指の難コースを完全攻略するつもりだ。
初優勝直後の試合でいつも以上の注目を浴びるが「昨年、下手な成績は散々見せてきたので、今さら下手なプレーができないってことはないです（笑）。私の実力でできる事をやって、結果がついてきたらうれしいなという感じです」。今週も上位争いに加わり、確かな実力を備えていることを証明する。（文・田中宏治）
