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「私は常に追う立場」 黄金世代の苦労人が“紆余曲折”を経て目指す日本一

黄金世代の高木優奈がナショナルオープンで奮闘を続けている。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年10月3日 18時43分

高木優奈がナショナルオープンで存在感を発揮している
高木優奈がナショナルオープンで存在感を発揮している (撮影:福田文平)

<日本女子オープン 2日目◇3日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6616ヤード・パー72>

“黄金世代”の髙木優奈が、日本一の女子ゴルファーを決めるメジャー大会の予選を、首位と1打差の2位タイで通過した。「3~4メートルのチャンスが入ってくれて、救われました」と、パターを好調の要因に挙げる。

【写真】あまりにもウキウキな髙木優奈

一日のいい流れは、7メートルのフックラインを決めた2番パー3のバーディから始まる。7番パー5でも「カップ外から狙うくらい切れるフック」という2メートルながら難しいラインをねじ込んだ。その後も、決まれば気分も乗ってくる距離のバーディパットを次々と決める。途中、ボギー、ダブルボギーも挟んだが、終わってみれば7つのバーディを奪い、「68」でトータル10アンダーまで伸ばした。

「66」をたたき出し2位でスタートした初日に続き、ショットの感覚は良好。これにパットもかみ合えば、気分のいいラウンドになる。パッティングについては、もともと課題だったというが、「アドレスから見直して、芯で当たるよう練習しています」という取り組みが、この大舞台で生きている。

渋野日向子、原英莉花、小祝さくら、勝みなみ、畑岡奈紗…。数え上げたらキリがないほど数々のスターを輩出している世代のひとり。「日本に居なくても、米ツアーは見ています」と、日米問わず、同世代の“仲間”の活躍は気にもなる。「私は常に追う立場で、一度もトップに立ったことがない。いつか追いつけ追い越せで頑張りたい。いい刺激になってます」。その存在は大きい。

プロテスト合格は23年だが、19年からTP単年登録制度を利用しツアーに参戦。同年7月には下部のステップ・アップ・ツアー「ANAプリンセスカップ」で優勝も果たしている。しかし、その19年から日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の規定変更により、非会員のQT参加ができなくなった。20-21シーズンは、ステップ優勝の権利でQTに参加できたため参戦できたが、翌22年からは、一度はツアーの道が閉ざされた。それでも23年に6度目のプロテストで合格。無事“復帰”に成功した。

そんな経緯もあり、これまでは同学年の選手を“追う立場”だった。だが、ここでチャンスが訪れている。日本女子オープンが初優勝の大会になれば、「そんなに最高なことはない」とも話す。ただ、まだ2日目が終わったばかり。もちろん、「優勝争いという優勝争いをしたことがないので、そこは気にせず。コースと向き合って戦いたい」と、手綱を緩めるつもりはない。

さらに「ジャイアントキリングが目標。出ている人は全員、格上だと思って、スコアを伸ばして勝てたらうれしい」と表情を引き締める。紆余曲折があったプロゴルフ人生だが、そこでの経験も糧に、兵庫県で黄金の輝きを放ちたい。(文・間宮輝憲)

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