青木がパターを替える理由は、グリーンの状態だけではない。同じモデルでも33インチ、34インチと長さが違うモノも用意している。「33インチを使い続けているとハンドダウンになって上から押さえつけるようになり、力みにつながります。テークバックもアウトサイドに上がりやすくなります。そういうときに34インチのパターに替えます。長いぶん、吊るイメージで構えられるので、上体が起きたアドレスになります。軌道もイン・トゥ・インで振れるようになります」。
連戦しているとスイングだけでなく、パッティングのストロークにも微妙な差が出てくる。パターを替えることで構えやストロークを修正する狙いもあるという。
大西コーチはアマチュアにも複数本のパターを推奨する。「ドライバーやアイアンよりも、パターを替えた方がその変化を大きく感じられます。アマチュアの方も形状の違うパターを2本持っておくと、グリーンコンディションが大きく変わるグリーンでも、自身のイメージや感覚を変えずに対応できるようになると思います」。
さすがに15本とまではいかないが、「エースがマレット型ならブレード型をサブに。ブレード型がエースならマレットをサブと、真逆のパターを用意するのがオススメです」とまずは2本体制からが良さそうだ。
一般的にマレット型は直進安定性に優れた形状。ブレード型は感性を生かしやすい。直進安定性に頼りすぎるとつかまえる動作を忘れがち。逆に感性を生かしすぎると、ストレートにヘッドを動かす感覚が鈍くなることもある。「真逆のパターを使うと、それぞれの良さをより発揮できたり、感性を育成することにもつながります」。プロほど連戦するわけではないが、道具を替えることでフレッシュな感覚で臨めるのも、スコアアップにつながりそうだ。
■解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務め、24年からは安田祐香のコーチングも行っている。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。大西翔太プロデュースの練習器具「Sho_izm(ショーイズム)」シリーズ(朝日ゴルフより全国のゴルフショップにて販売中。豊富な知識を生かして、今年はテレビ解説も行うなど活躍の場を広げている。